第5幕
夢の果て、もしくは宇宙の果てには宮殿が存在する。ほとんどの人間が知らなければ、訪れることもできない場所にランはいた。
神々が奉納の舞を踊る先頭で、ランは演技を行う。脚本は、夢の世界を旅した男の話。その男を、ランは演じる。
周りにいる奇妙な存在に対する恐怖はまるでなかった。
咲良とその中に巣くっていた存在に対する復讐は成し遂げたし、それに何より、神様の前で踊りを行えるというのは――それがどのような神様であっても――光栄なことには違いないのだから。
ともすれば奇怪にも聞こえるオーケストラの音色に合わせて演技を行うランの正面には、膨張を続ける宇宙を体現するかのような不定形の神が興が乗ったように体をうねらせる。
隣で、少年が笑っていた。
わが友への復讐のためのオペレッタ 藤原くう @erevestakiba
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます