第43話:内戦4
どうやら夢ではなかったようだ。
わたしは拉致られたというに、豪奢な部屋で気持ちよく爆睡をかましてしまったみたいです。
異様な空腹で目を覚まし、【
生であるが、この世界のは無問題だ。
焼いた方が何となく安心感があるし、慣れた美味しさもあって焼いていたが、ここまでお腹が減るとどうでもいい。
生で食べることへの嫌悪感などなく、口一杯に詰め込んで咀嚼する。頬はパンパンに膨れ上がっていることだろう。
リスと呼んでくれて構わない。
大量の温水で身体を清め、勿論魔法でも清め、部屋を出た。
向かうは隣室。ノックを三度。
「入れ。」
ああよかった。返事がなければどうしようかも迷っていた所だ。「失礼します」とだけ言って、中に入る。
近寄り、確認。
容体は安定しているようだ。
顔色が随分良い。
「目覚めましたか?」
「…いや。」
ふむ。容体は安定しているとはいえ、御飯の一つでも取ってもらわなければ回復も遅くなるし、何より本人から――体調というか症状の有無—―言質が取りたいのだよ。
「《再生》」
この回復に特に意味はないだろう。
次に行うことへの布石だ。
「このままずっと寝かせててもアレなので、一度重湯でも作っておいて起こして食べさせるべきでは?」
「……重湯とやらの作り方を知らん。」
ドロドロの粥のことだが、言い方が違うのか?
「どろどろにして食べやすくした粥です。それが無理なら野菜とかを煮込んでスープにしたものでもいいです。」
「……調理場へ案内する。」
「……分かりました。」
要は作れないわけね。
てかどうやって生かせたんだよ。
おかしいだろ。
調理場へ着くと、それなりに食べ物の入った袋がある。
十二分に春まで越せるのではないだろうか、と思える量だ。
因みに今は冬のピークが過ぎた辺り。春に向けての時節だ。
「トマチに、コーン……麦に、コブ?この黒いコブってなんですか?」
「海藻だ。……海で良く取れる藻だ。」
見た目コーンの粒……ブドウの房のような実の付け方をしたとうもろこしは多分そのまんまと仮定。
ああてことは、出汁だ。
コブは昆布ね。
「じゃあ、ちょっと作っちゃいます。……毒なんて入れませんよ?」
「………。」
「見ててもいいですが、彼女が起きてきたらどうするんです?」
渋々と言った感じで彼女の下へ帰って行った。
「じゃ、作りますか。」
先ずは鍋を濯ぐ。薪をくべて火を付ける。
最大火力で一度空焼き。
そこに水を入れて、風魔法で刻んだコブも投入。
ぐつぐつと湯だったら、麦も入れて塩とコーンとトマチを風魔法でこれまた細かく刻み投入!
美味しいかどうかは知らん!味見してのお楽しみだ。
特に変なものも入れてないから和風ドロリアって所だ。
加熱すればトマチの酸味は粗方消えるだろうし、コーンの甘味がなんとかしてくれると信じてる。
旨味のコブにも期待しているよ?
麦がドロドロになるまで追い水して煮込み、煮込み……。
小皿に盛り付けて一口。
うーん、醤油がほしい。
もしくは粉チーズと生クリーム。
もしくは肉の旨味……。
でも流石にそれは重いか。
病人が食べるのだ、優しくあれ。
保温効果など期待できないので、大鍋ごとお皿もスプーンも持っていく。
「持ってきました。」
「……。入れ」
いや言われなくても入るわ。
大鍋を丸テーブルに置く。それと食器も片隅に。
「起こしてみますから毒見してください。盛り付けは任せます。」
「……。」
何も言わないってことは良いって事かい?
面倒な男だ。
「《身体強化》」
【雷属性魔法】を基にした《身体強化》は電気信号を活発にすることとステータスそのものに働きかける魔法だ。
これで起きてくれるといいんだけど。
「ううん……。」
目がぴくぴくと動いた。
声も出ている。
………。
………。
……起きた。
「起きましたよ。」
「…ロゼ。分かるか。」
素早い身のこなしでベッドの傍らに寄り添うバルバス。
何処で身体機能生かしてんだよ。
「バルバス様?……うぅお水。」
「《水球》、はいどうぞ。」
目の前に水の塊を出してやる。
少女は困惑気味に手で掬い水を飲んだ。
「ロゼ、体の具合はどうだ?」
「はい、さっぱりしております。あの苦しみが嘘のようです。」
バルバスの問いに答え、はにかんだ少女の笑みはとても優しいものだった。
「では、此方に御飯を用意しているので、気が向いたら食べて下さいね。」
そう言い残して、隣室に戻ろうと踵を返そうとすると少女に呼びかけられた。
「あの、お医者様ですか?ありがとうございます。助けて頂いて。バルバスの婚約者のロゼ・ハミットと申します。」
ええ、髪の色一緒だから妹かと思ったわ。似てないと思ったけど!でも妹だと思ったよ?!こんな巨人にあなたの体躯じゃ……。
「おい。」
「ひゃい!」
邪推したのが顔に出ていたか?!
「感謝する。」
「……あ、はい。」
魔獣バルバスが頭を下げたので、なんか色々と感情が追い付かず、それしか出てこなかった。
「それで、貴方様のお名前は?」
「あ、シルフィアです。」
あ。
ここに、シルと名乗らない阿呆が居ます。
まあ、大したことじゃないんだけど。
でもミレーネ師匠とかが順序的には先じゃん?
あああ。まあもういっか。
もう開き直ることにした。
「シルフィアですが、シルと呼んでください。他意はありません。」
「シル様ですね。ありがとうございます。わたしの事はロゼと呼んでください。」
「はい、ロゼ様。あ、体調は良くなったみたいだから命の保証の約束忘れないでよ?用済みだって殺しに来たら呪ってやるから。じゃ、ロゼ様の具合でも悪くなったら言って。御飯時に成りましたらまた此方から伺いますね。」
もうどうでも良くなったので、バルバスに向かってはタメ語。ロゼ様は無害そうなので敬語で伝えた。
バルバスがしまった!という顔をしていたが、知ったこっちゃない。洗いざらい白状するんだな、どんな事情があったのか知らんけど。
今が何時かなんてわからないけどお腹が減った。
つまりは御飯時よ。
というわけで、やたらある調理器具—―新品レベルの大鍋をまた一つ、今度はスープを作ろうと思い調理場に向かった。
ここにはバルバスはいなかったから隣室で付きっきりの介護でもしてるんだろうね。
一応前回同様鍋に雑菌が湧いてるかもしれないので空焼きと煮沸消毒をしてから料理を始める。
トマチとコーンを切り刻み、コブで出汁を取る。
うまみ成分は複合されてこそ真価を発揮するのだ。というか複雑であればあるほど基本的には美味しくなる。
トマチはトマトのような味わいなので、まあ使いやすい。
トマトベースに海産系の旨味は合うのだ。
コーンは正直甘味が薄い。その分、とうもろこし風味がほぼない。ので此方も合わせやすいことが重湯モドキで分かっている。
本当の重湯なら麦というかコメだけだろうが、それじゃ流石にね。《再生》を掛け続けているので、実は彼女が少し胃もたれする料理なんかも魔法でどうにでもなったりするのだ。
【
風魔法でぺらっぺらにして鍋に投入。
透き通るような薄さまでカットしたから煮込み時間が短くてもとろとろになってくれるだろう。
現にもう油が浮いている。それと同時に灰汁も少し出てしまっている。おたまを使ってちょちょいのちょ!っと掬って流しへ捨てる。塩を入れ、くるくるとかき混ぜる。
他にないか、【鑑定】で確認するとセーロという実にセロリっぽい名前のアスパラガスがあった。ただ色味は黄色。大丈夫だろうか。
フライパンを用意して此方にも水を入れる。セーロを湯がいてみる。ふにゃふにゃになったのを確認して一口。
味は主張が強くない。悪く言うと特に味がしなかった。
野菜なので何かしら栄養があるのだろうと、刻んで此方もスープへ投入。
スープなので弱火でって思うが薪の調節は怠い。
だからスープがぐつぐつ沸騰しまくってどんどん気化するのは氷を足すことで抑えた。
歯要らずトマチスープの完成だ。
ちょっと味見……旨い。やっぱ豚の旨味にトマチの旨味にコブの旨味と三種類も入ってると違うわ。
コーンとセーロはイマイチ味の深みには貢献してなさそうだから無視するね。
ノックを使用とすると扉が開いた。
目の前には猛獣バルバスが。
何かあったのかと思い、隙間からロゼを見ると起きていたようで、目が合うと微笑んできた。
なんともなさそうなので、気を取り直す。
「スープ出来たよ。こっちのほうが食べやすいよ。」
「ああ、入れ。」
「失礼しますね、ロゼ様。」
「はい、シル様。御飯の用意までありがとうございます。」
様付けはなんか恐れ多いんだよな。絶対お金持ちだし。
身分高そうだし。
「スープはわたしが一応毒見しましょう。毒なんて入れてませんけど。」
こちとらお腹が空いているので普通の皿に普通に盛り付けたのをスプーンで一口。
「おいし!」
思わず自画自賛。とろとろお肉が最高でした。
「あ、バルバスがよそってくれると思うんで。後は召し上がって下さい。」
「まあ、本当に美味しそう。トマチスープかしら?」
「ええ、そうですよ。かなりの出来です。」
トマトスープの香りだけでない。出汁も効いている。
「まあ、美味しい。」
「……うむ。」
「うむじゃないでしょう?美味しいでしょう?」
「……旨い。」
ふむ。どうやらバルバスは尻に敷かれているみたいだ。
いいぞ、もっと飼いならせ!
そいつアンタが苦しんでる間、猛獣みたいな奴だったんだぞ!
重湯のほうは残っているのかと思いきや、完食されていた。
「重湯のほうは完食されてるんですね。たくさん作ったので余ってるものと思ってましたが鍋まで綺麗に。料理人冥利に尽きますよ。食欲もあって良かったです。」
本格的に快復しているみたいで安心&感心しているとロゼ様が笑う。
「ふふ、それバルバスよ。わたくしも食べさせてもらいましたが、この人も全然ご飯を食べてなかったみたいなの。」
お前か!犯人はお前か!
まあでも残すよりはいいだろう!ゆるす!
「まあ、今は戦争中ですしね。」
「あら、そうなの?だから使用人も見えないの?ってそれじゃ貴方お仕事は?」
どうやら現状の説明とか何もしてないみたいだった。
こりゃすまないことをしたね。
わたしが少しバツが悪そうにしていると。
「俺はゲヘナシュタインの傍を離れることにした。」
「ええと、殿下と揉めたの?」
「殿下と呼ぶのはやめろ!」
怒鳴ったバルバスは怖かったが、その怒りはロゼでもわたしでもなく、ゲヘナシュタインに向けられたものだと分かるので此方もすぐに落ち着きを取り戻す。
ロゼに関しては終始心配している。そもそも怖くないみたいだ。さすが猛獣遣いと言った所か。
苦々しい顔をしたままバルバスが話始めた。
「そもそもの発端はゲヘナシュタインとゲヘナレイン王のクソ親子共のせいだ。あいつらに聞かされたよ。ロゼ……お前に何をしたのか。いやどうしてロゼが苦しまなくてはならなかったのかを。」
そこまで言うと、バルバスは深いため息を吐きだした。
これだけでもしかしたらと察してしまう自分がいる。
ただ、その答え合わせはわたしがすることではないので此処は黙って見守ることにした。
「どうしてなのです?」
「……俺の腕が奴等の目に留まった。俺は元々どの派閥にも属す気がなかったのは知ってるな?」
「ええ、貴方はそういうのが嫌いですものね。それにわたくしのハミット家は代々中立です。直接的な争いには関与しません。」
「だが、今はハミット家はゲヘナシュタインの傀儡だ……。」
おぅ……もうキツイかも。
「俺を対フィリア姫用の
「そんな……!お父様にお母様が?!そんな……あぁ。」
あまりのショックに顔色が悪くなってしまうが素晴らしきかな《再生》の効果でぎりぎり持ち直している。
心労による体調の悪化にもきちんと《再生》という癒しの効果が効くとはね。
ああ、病に冒されている間、知らなかった事実を聞かされる。
ロゼの命は今年いっぱいだろうとのことだったそうだ。
そんな中でわたしを見つけたのだとか。
だから異常にわたしに執着していたのか。
腕を吹き飛ばした相手の心象など最悪だろう。
だから、チカラで抑えつけわたしを確保しようと思ったのだとか。でもわたしが船で逃げ回るモノだから……なんかすまんね。
それで、ロゼが死んだら
アンタ……もってるよ。
バルバスの最後の最後での引きの強さにある種の主人公味を感じたよ。
「わたくしが貴方の足枷になってしまっていたなんて……、申し訳ありません。」
「足枷などと思うものか……!」
ロゼの涙がぽろぽろと零れる様に、思わずもらい泣きしてしまう。なんと尊い
わたしの腕チョンパしたのも許してやろう。
好きな女のためにお前、頑張ってたのか。
はぁ。人の数だけ物語があるわ……。
一本の小説でも読んだかのような感覚だった。
因みに初手でわたしを殺そうとしたのは、傀儡になるのが目に見えたそうで、それが当時の自分と重なったため―――、慈悲として殺そうとしたのだとか。
その
というか、聞けば聞くほどにゲヘナシュタインっていうか次兄王族派の悪辣で陰湿で惨憺たる権謀術数の数々に反吐が出た。
胸糞悪いとはこのことだ。
スライムみたいに溶けてゆっくり苦しんで死ぬとかいう謎の病なんか呪いなんか知らんけどロゼ様に仕掛けたんだからねえ?
しかも両親は謀殺されてたとか、わたしなら発狂もんだぞ。
それに耐え忍んで泣いて尚、理性的で自罰出来るとか……さすが、中立派として侯爵教育受けてないってことかね。
わたしが代わりにゲヘナシュタインてめええええええええええええ!!!!くらいの勢いで発狂したい気分だわ。
ていうか、本当にキレてるのはバルバスか。
良いように利用されるだけされて、今作戦では本隊にすら入れて貰えず、完全に囮役の位置。どうせロゼ様を助けるつもりなんて……だめだ、考えたら血圧上がるわ。
わたしはふたりっきりにさせてあげようと、こっそり部屋を後にするのだった。
バルバスは本隊に入れなかったお陰で、実はシルに辿り着けたというのは、彼等が知る事はないのであった。
―――――――――――――――――――――――――――――
事の顛末をロゼとも共有し早三日が経った。
三人で御飯を囲むのが普通になった。
食事の用意はシル。掃除もシル。
ただひとつ、狩りだけはバルバスが行っている。
おかげで、氷石鹿という魔獣が食べれている。
この氷石鹿とは魔物を食べた変異個体の鹿で、元動物なので、魔物ではなく魔獣と分類されている。この、魔獣と言うのは魔物と同じように魔石を内包しているが、魔獣は食べた魔物の魔石に依存するので、採れる魔石は完全にオリジナルだ。
なので、魔獣からは純粋な混じり気のない魔石は手に入らないと考えて良い。
魔物は生まれた時から魔石を持っており、核となる魔石は強さによって純度も大きさも変わる。
異種の魔物同士が共食いをしたとて、魔石を食べたものの持つ本来の魔石が強化されるだけだ。決して混ざりはしないとされている。これが魔物と魔獣の違いである。
「それで、今後お二人はどうされるのです?」
ロゼも家内を歩き回れるほどに回復している。
ステータスの恩恵もあるのだろう。
聞くところによるとロゼ自身もレベル3と中立派閥の侯爵令嬢として厳格に育てられてきたのだろう。
それなりに武に通じているらしい。
レベルだけで言えばシルより上だ。
侮れる相手ではない。
二人の動向は聞いておいて損はないと判断し、話題にした。
「俺はゲヘナシュタイン及びゲヘナレインを討つために動きたいが……。」
そう言って、目線はシルからロゼに移る。
まあ心配だよね。助け船を出してやるか。
「ゲヘナシュタイン達の悪行を暴き征伐するために中立派閥貴族として動くなら、ロゼ様はわたしが何としても守るよ。レベルは低いけどね。」
「あら、可愛らしい魔法師様が付いていてくれるのは心強いですね。」
レベルよりも【回復魔法】の技量について信頼が絶大なのかもしれないが、ロゼは割と本気で心強いと思ってくれているらしい。
でもまた腐った貴族やらの相手が嫌だというなら別の方法も提示できる。だからロゼ様の反応に対しては一旦スルーさせて貰う。
「でももし、中立派閥の貴族なんかしたくない。っていうならこのまま逃げることも出来ると思うよ。屋敷に戻っても、もう親しい世話役もいないんでしょう?いっそ死んだ事にしてさ。そうすれば貴方達は自由だよ。」
「それは叶わんだろう。魔道具の一つもなければ大荷物になる。渡航しようにも身分はいる。」
まあね。
「魔道具に関しては魔法鞄さえあればどうとでもなるでしょう?」
わたしの問いにバルバスが一笑に付した。ロゼも少しばかりなんて言ったらいいのかと困惑している。
隠していた切り札を一枚切ろうではないか。
「魔法鞄、作れますよ。」
わたしの突飛もない発言に、流石のバルバスとロゼも目を大きく見開いている。どうやら驚きすぎて二の句が継げないらしい。
わたしは調理場にあった何の変哲もないもない小袋一つをポケットから取り出して実演してみせる。
「—―――【
久しぶりの製作であったが、難無く魔道具である《魔法鞄》を作り出す。容量は今の魔力のぎりぎりまでつぎ込んだ特注だ。大抵の家財道具などは丸々入るはずだ。
流石に魔力枯渇気味なので、【
ここで飲んでしまうと【
《魔道具》を生み出してそれを使って持ち運びを可能にするのと、《魔道具》なしでもアイテムが持ち運び可能じゃ、全然話が変わってくるからね。
チカラになってあげたいとは思うけど、そこまで秘密を共有するつもりはない。
「めっちゃ疲れたけど、ほらこれ。バルバス確認してみて。」
わたしが魔力枯渇気味になった影響でダルさ全開で渡すというか投げる。
それをバルバスが予備動作なしに手中に収めて受け取る。
相変わらずこいつは何処でチカラを使ってんだ。
中に手を突っ込んで確認している。
「これは……。」
驚くだけで、それ以上は言わずにロゼに手渡す。
そこはそっと手渡しするのね?
丸テーブルを囲んでの食事中なので、横にいるロゼも困惑しつつも受け取って確認している。
「シル様、これ……このような事が御出来になると他には誰か知ってらっしゃるの?」
「ランバルト海洋王国には知っている人はいませんね。なので、この件は内密にしてくださると助かります。」
「ええ、ええもちろんよ。こんな、魔法鞄を作ってしまうなんてそんなのがバレたら……。」
「ええ、仰りたい事は重々承知しております。だから内密にお願いします。バルバスとロゼ様はそれがどの位の容量なのか調べて下さい。それはお二人に差し上げますから。」
貴重な魔法鞄を製作してみせただけでなく、
まあでもバルバスの驚いた顔は何故だか痛快だな。
「魔力がカツカツなので、一旦寝ます。それでは。」
わたしは一方的に伝えると、足早に部屋に戻った。
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