第6話:

ステータス


シルフィア


Lv.1 【ランクアップ可能】


力:G→D 120→550 耐久:E→D 400→521 器用:B→S 700→926 敏捷:G→D 134→503 魔力:B→SS 730→1090 幸運:G 150→170


《魔法》


【水属性魔法】【風魔法魔法】【土属性魔法】【火属性魔法】【雷属性魔法】【光属性魔法】【闇属性魔法】【回復魔法】【生活魔法】


《スキル》


【再生】【獲得経験値五倍】【鑑定】【遠見】


《呪い》


【男性に話し掛けることができない】


時は二歳を半ばに迎え―――だいぶ育ったろう。ステータスの伸びが凄いけど一日ずつみたら大したことはないのでこうしてわざと見ないようにしている。わざわざ一日の進捗――修行の成果を確認しなくても反映されているからというのもある。それにこうしてみた方が気持ちいい。積み重なった経験値がステータスに一括で反映されているみたいで。幸運の上げ方はさっぱりだ。死ぬような思いをしろという事だろうか?少なくとも温室育ちのお坊ちゃんプレイでは上がりそうにないな。

 経験値評価基準で謎が多い項目である。


 【鑑定】で遠見ばかりしていたら、そのまんま、【遠見】スキルが手に入った。このスキルは、望遠鏡のような機能で、三倍率までの距離を詳細に目視することが可能となる。勿論、【遠見】スキルを使いながら、【鑑定】も併用出来る。

 【火属性魔法】は料理の火付け――マリアの手伝いをしていたら習得出来た。点火イグニッションと言う魔法なのだが、ついでとばかりに【生活魔法】とやらも習得した。火魔法は危ないので、アーシャには教えてない。家で勝手にやっている可能性は否定できないけど、そこはミーシャやホセアーシャの両親に一任しておけばいい。覚えるだけなら魔力譲渡で負担をなくして獲得させればいいのだから。





水弾ウォーターバレット‼」

石弾ストーンバレット

「キャウンッ!」


 森林からウルフの群れの一部—――討伐漏れの一匹に向けてアーシャの水魔法、シルフィアの土魔法が頭を穿つ。精密射撃能力、威力共に申し分ないもので、ウルフは絶命している。ニビ――狐は万一に備え、アーシャの隣に位置しており、魔法で倒せなかった時に前衛――主に撹乱と回避、挑発行為に専念してもらう—――飛び出してもらう手筈であった。が、今回は出番がなかったようで、少し落ち込んでいる。

 【雷属性魔法】による、身体能力強化までしていただろうに。ニビの敏捷は間違いなく僕より上だろう。そのニビより敏捷はやいのがアーシャという奇天烈案件なのだが、気にしても仕方あるまい。彼女アーシャは、身体動かすのが大好きだし、うん。納得するしかないよね。—―いや、おかしいだろう。【獲得経験値五倍】持ちの僕より上を行くとか。五倍以上努力してる事になるじゃないか。僕だって努力してるんだけどなぁ…。

力に該当する筋力を酷使する際、雷魔法で身体強化――極限状態まで引き上げた運動をしているせいでアーシャは力と敏捷の両方の成長速度が跳ね上がっているわけだが、シルフィアは剣術稽古の際、魔法を行使して鍛錬に励まないので知らない。

せめて、まめにステータスを確認していれば伸びの良し悪しを知る――効率をあげれたものを。


 我が家が森林からの襲撃の最前線を担っている。だから、こういった機会にありつける。我が家の母上やアーシャの母上も勿論、迎撃に加わっている。

 我がマリアもアーシャのミーシャも同様にそれぞれ、一匹ずつ、仕留めている。


「いやぁ、すまない。魔物群衆スタンピードに遭ったんだ。倒してくれてありがとうな。」

血まみれの剣を携え、森林から出てきた僕の父親――ルイが事情説明もとい言い訳を始めた。

「それで、三匹取り逃がしたわけね。」

「お疲れさん」

 なんとなく察していたマリアが納得ししょうがないと肯定し、ミーシャは気にも留めずに労うだけに留める。

 毎日と言っても良いほどにミーシャが我が家に来るのは、育児相談――お喋りの為だけではない。こういった不測の事態に対処するためでもある。

 女だからと言って軟な人間はこの村では生きていけない――開拓民にはなれないのだ。

 

「それにしても―――シルもアーシャも良くやったな。大手柄だぞ!」

 ルイはマリア抱っこされている僕と自由フリーなアーシャの頭を撫でる。アーシャには護衛――ニビがいるからね。男の汗臭さが少しだけ――みなまで言うまい、【生活魔法】で除菌消臭をしといてあげる。不自然に汗まで消すと、心遣いがバレてしまうかもしれないので配慮の仕方も良い塩梅に調節する必要があって大変だ。

 剣にベッタリついていた血は振り払い、いつのまにか鞘に納刀していたようだ。

 村の防備以外の男衆――五人で三十程のウルフとゴブリンの混成部隊に接敵し、蹴散らしたそうな。三匹逃がしたとして、二十七割る五だから一人当たり五匹から六匹も受け持っていたことになる。それは取り逃がしもするよね。

 今回の間引き兼、狩りは我が家の取り分はルイが五匹、マリアが一匹、僕とアーシャで一匹倒したので、六匹と半匹の報酬となる。

 狩った分だけ報酬が増えるわけだ。完全歩合制というわけだね。標的ターゲットになっていて、不意打ちで他人が討ち取ると、報酬は半分ずつ。役割を果たしていることになるから。

 我が家とアーシャ宅は森林から一番二番で近いことから、危険が付きまとうが実入りも良い。逃がした際、被害なく倒せれば分け前が増えるわけだだからね。

 

「そろそろ、我がルイ家にお隣さんが増えても良いころだよな。」

「その件なら都市サースに一組限定で、移民募集してもらってるよね!人が増えればもっと安全になるもんね!あー待ち遠しい!」 

「お役所仕事の具合にケチ付けて急かしても、移住したいって思ってくれる人がいなきゃ話になんないからねぇ。気長に待つしかないわ。」

 都市部から移住かぁ。

 移民選定はお役所仕事なのか。

 移住も手続きがいるらしいけど、住民票とかの制度があるのかな?

 

「…おやくしょさんが、お隣さんを連れてくるの?」

 小さいやゆよ――つまり拗音を発語できるようになった僕は少しだけ誇らしくルイやマリア、ミーシャに聞こえるよう――誰でもいいから答えられる人が答えてくれ、という思いを込めてみんなを一瞥する。

「そうよ。お隣さんになれる人に悪い人がいないか、ちゃーんとお役所さんがお仕事して見極めて連れてきてくれるのよ。」

「もし悪い人が来たらウチらみたいな少数世帯の村は皆殺みなごろ――がはっ!」

ミーシャの肘鉄が、ルイの鳩尾みぞおち痛打クリーンヒットする。

「馬鹿なのかい?言葉を選びなよ。ったくどこも男ってのはどうしてこうなのかねぇ…」

「ミーシャ代わりにありがとうね。手が塞がってなかったら私が張り倒してたわ。」

 さすが恩恵ステータス。涙目になっているルイを見るに、女性であろうと鍛え抜かれし恩恵ステータスがあれば男ともそれなりにやりあえるのかもしれない。


「そ、それじゃ、僕は行くよ。」

 ルイはそそくさと森林に戻っていく。

 倒した獲物の収穫と、解体があるからだ。

 正直、狩りや解体の方が楽しそうである。僕達は用水路に水を流し込んだり、家畜の世話をしたり――乳牛と羊の家畜小屋の清掃――魔法で一瞬なわけだが、放牧用の柵の点検などは地味に大変である。木柵なのだ。これが石柵なら壊れてないか一瞬なのに…。


「ママ、柵は木で作ってあるけどどうして?石じゃダメなの?」

「石の方が頑丈だから立派なんだけど、それは都市街サースに住む大工さんにお仕事を頼んでしてもらうことなのよ。生活には困ってないけど何十万メルってお金が必要なのよね。」

 つまり、お金が掛かるからやらないだけと。牧草地や畑の開墾、家を建てる際、整地が行われる。そこで取り払われた山積みの石は勿論取ってある。ゆくゆくは石柵や木造住宅を改築、増築したりする際石材を使うことだってあるのだから。

 家は大変だろうけど、柵なら鍛え上げた魔法で今なら出来るような気がする。

 幸い、石を一から生み出すわけでもない。

 厚さは三十センチほどで十分、高さは今の柵と同じ一メートルと四十センチ程かな?ま、同じにすればいいわけだから気にしなくてもいいか。

 今ある木柵の周りを囲むように範囲を設定して――石を圧縮圧砕、粘土質の土を混ぜながら、材料で魔力消費量を抑えつつ、土魔法を発動させる。


石壁ロックウォール

「—―――――――――――」

 ゴゴゴォ…という音を立てながら、二十秒ほどで完成だ。

 あと一回はいけるな。—―現存する魔力の半分は使い切ったということ。


「ふぇ…?」

「…。」

「シル、すごーい‼」

「きゅん!」

マリアは放心状態のようだ。ミーシャも糸目なりにカッと見開いている。

突然出来た石の壁もとい柵にアーシャは大喜び。分かってるのか分かってないのか、アーシャのノリに合わせたような鳴き声は狐――ニビのものだ。

子どもの体のせいか、どうにもマリアに褒められたくて仕方ないのだが現実を受け止めるまで待つとしよう。【土属性魔法】を習得しなければ消費魔力量は材料があっても厳しいだろうし。魔法を覚えるまでの燃費の悪さは車で例えると国産だとレクサスやランドクルーザー、GT-R。外車だとロールスロイスやランボルギーニなど極悪燃費の高級車が習得前段階。習得後はプリウスやアクア、ヤリスなどの超低燃費状態で魔法が使えるようになると考えていい。百kmの距離を走ろうとしたとき、燃費が三十km/Lの車なら3.3Lの燃料しか消費しないが、二十km/Lの車だと5L消費する。

 こう考えれば如何に魔法スキルを手に入れておくと良いか分かる。


「す、すごいわね!シルぅ~‼」

 時間差でむぎゅうっと抱きしめられ、頬擦りまでしてくれる。

 褒められた味を噛みしめる。

 嬉しさでつい頬が弛む。

「あら、あんたの子シルちゃんもそんな顔するんだねぇ。」

 石柵よりもの表情の方に興味がいくとは。ミーシャは僕をなんだと思っているのやら。

「うちのもやって!シル、おねがい!」

 アーシャに言われちゃ仕方ない。

「…いいよ。」

二つ返事で返す。

「ええ、いいのかい?っていうか魔力はもつのかい?」

「うん。」

ミーシャが驚き、魔力の心配をしてくれるが、お構いなしさ。


 アーシャの放牧地を囲む柵も似たようなもので、石材も同じようにある。なんなら我が家より石材量は多くあるようにもみえる。


石壁ロックウォール

「—――――――――――――」

 ゴゴゴォっと全く同じ展開が二十秒ほど繰り返される。

 完成だ。


 ばたばたと足音が聞こえてくる。

「いったいどうした―――でえええ?!いつの間に業者を雇ったんだい?おおお金は?!」

「あらやだねぇ、あんたホセ。巡回しなきゃダメだろう?ただでさえ今は男衆が狩りに出てるってのに。」

「い、いやそうだけど――近くを歩いてたらゴゴォって音が聞こえて何事かと…。」

「見て分かんだろ‼改築してもらったんだい!詳しいことは夜にでも話せんだろ‼さっさとおいき!」

 異常音に気づき走って駆け付けた―――ちゃんと巡回してただけなのにあまりにも不憫な目に遭うホセなのであった。

 僕とマリアは少しばかり同情してホセを見送る。

 流石に魔力の余裕がないことをマリアに伝えると、今日一日は抱っこして過ごすことになった。

 

「いやぁ、数十万メル分の仕事をこなしちまうなんて――大工としてやっていけるよ。都市サース―――いや大都市おうとクリメルクでもやっていけるんじゃないかい?」

「たしかにそうよね――ってだめだめ!早すぎるわあり得ない!絶対行かせないんだから!」

 マリアは何を勘違いしたのか、都市には行かせない宣言をし始め、ミーシャの提案を払いのけ抗議し始める。

「いや、な、なにも今すぐなんて言っちゃいないんだけどね…。」

 ミーシャはたじろぎながら将来の話だと落ち着かせにかかりっきりだ。



 二家分の柵を作り終え、本日のお茶会のため僕達は家に帰る。

 ミーシャの家にいたのでは、僕達の家が魔物の襲撃に曝されていた場合、気づくのに遅れてしまうからだ。 

 狩りに出ていた男衆が森から帰ってきたようだ。運搬車カーゴに運び込まれるウルフとゴブリン。ゴブリンが下、ウルフが上に積み重ねられている。

 父達は中央広場の一画に建設されている解体場にでも行くのだろう。

 ゴブリンは魔石だけ抜き取ると雑に解体バラされ肥料に、ウルフは魔石に皮に牙に肉、内臓と綺麗に解体バラされる。職人芸、ここに極まれり!らしい

 話にしか聞かないから是非見てみたいものだ。

 

「シル、狩りたのしかったね!」

 アーシャは物怖じしない。

 それどころか楽しいときたもんだ。

「…うん。」

「次もいっしょにね!」

「…うん。」

 笑顔が眩しいわ。次って要は取り逃し――打ち漏らしが森林地帯から抜け出てくるってことなんだよね。僕達二人でこっそり…ニビも連れて行ったとして――魔物の群れに出くわして三十匹も捌けるかな。近接戦だけなら飛べばいいし大丈夫だろうけど。この世界のゴブリンが遠距離武器や魔法を用いてくるのか、心配はそのくらいである。

 アーシャが狩りに行きたいって早々にぐずる可能性も視野に入れて先に探索しておこうか。いやルイから情報収集してもいいかもしれないな。変に勘繰られないようにだけ気を付けよう。


「…ねえ、パパ」

「ん?どうかしたかい。」

 それとなく。あくまでそれとなく。

「…狩りって危ない?」

「そうだな、危ないぞ。ゴブリンもウルフも一体ずつならそれほどでもないけどな!なんだ、たくさん魔物が運搬車カーゴに運び込まれてるのをみて怖くなったか?」

 狩りに不安に思ってる子どもの演出は効果てきめんだな。良い風に誤解してくれるじゃないか。

「…ゴブリン達はどんな攻撃してくるの?」

「ゴブリンは棍棒を振り回して攻撃してくるのが主流だな。他にも手槍てやりって言ってな。お手製の短めの木槍を投げてきたりするんだよ。ゴブリンの王や青いゴブリンで魔法を使う呪術師タイプもいるって聞いたことがあるが、ここらにはいないと思う。父さんは狩りで一度も見ないしな。ウルフは噛みつきとひっかき、突進くらいだな。組伏されてしまうと厳しいぞ。冬にはホワイトボアっていう毛並みの白い猪みたいなのが群れでやってきたりもするが、ゴブリン達とは仲が良くないようだな。争ってるのを見かけるくらいだ。今日は予想外の初陣になったが、本番の狩りには父さんが直々に付いていくから安心していいぞ!」 

 そりゃそうだよなぁ。

 遠距離攻撃――投擲武器の一つくらい編み出してるよね。

 弓じゃないのはアレかな。そこまで知能が高くないってことかな。

 弓製作技術に矢や矢筒が必要で、弓術も練習しないとまともに的に当たらない。

 それに比べて手槍なら突き刺さればいいわけだし。投擲術はいるんだろうけど弓より遙かに難易度が低いのは武器製作難易度の違いからみても一目瞭然だしね。

 人間から奪ってしか使えない、管理・修繕メンテナンスも出来ないじゃね。

 そう思うと、ちょっとファンタジー感薄まってくるな。

 ゴブリンが見よう見まねで本番練習出来る程、人間も他の魔物も優しくないということだ。

 それでいて手槍は生み出すんだから、ゴブリンも頭働かせて生きてるってことね。


「…パパがいれば大丈夫だね。」


 頼られたのがよっぽどうれしいのか厚い胸板を押し付けられてちょっと痛いんだけど。ま、謀った罪と言う事で甘んじて受けようではないか。


 深夜。

 マリアとルイが寝静まったのを確認する。

 すぐには起きそうにないな。

 窓をそっと開けて、隙間から抜け出る。

 身体の小ささがこんな形で生きてくるとは。

 赤ちゃんモノのスパイ役にでもなった気分だよ。

 道に迷うといけないので上空飛行――森林地帯を取り敢えず真っ直ぐ突き進む。

 なだらかな傾斜の先に見えてくるのは山々だ。

 二つ三つの山がくっついて纏まっているようなこぶ――月は三つも出ていても薄暗くシルエットがラクダのソレににしか見えない。

 上空で留まり、風に乗って聞こえてくる音を頼りに――違和感を探る。

 

 枝がボキっと折れる音が右から聞こえてくる。

 明らかに生き物の足音だ。

【遠見】スキルを使い目を凝らせば――いた。

 二足歩行の何か達はこちらに気づいていない。

 軌道を読み、木に登って身を隠しておく。

 魔法は風魔法と水魔法。

 風弾エアバレット水弾ウォーターバレットを三弾ずつ。

 計四体のうち一体の身体が月明りに照らされる。深緑だ。

 【鑑定】スキルを使うも上手く全体を捉えられないせいで効果を発揮しない。

 背には何本かの槍が見える。

 幸いにも進路は変えないようなので、外さないよう狙い撃つだけだ。

 狙撃好機タイミングは真下を通り過ぎるその時—――チュン。


 ばたばたと糸が切れたように崩れ落ちる四体。

 人間じゃないよね?

 殺してから急に不安になってくる。—――これが人型を殺す恐怖か。

 やってしまったのはしょうがない。

 降りる前に風の刃エアカッターを作り、胴体にもう一撃加えておく。

 風魔法で上半身――頭部を月明りに曝す。

 どれもゴブリンである。人には見えない。醜悪な顔面である。

 

 —――よかった。—――

 安堵感から、深く息を吐く。

 呼吸を止めていたらしい。

 悪人は人間ではない、敵は人に非ず。をモットーに生きているので、前回の人攫いのゴミ屑はノーカウントである。

 だが、ただの旅人が擬態や迷彩処理を施しているだけの場合は別だ。

 自分の中の規則ルールに抵触してしまう。

 自己嫌悪に苛まれただろう。

 ゴブリンは肥料になるから持って帰りたいんだけどなぁ。農作業――土壌の品質向上、家畜の世話――牧草の栄養価を高めたり――どの家でも重宝されるゴブリンなのに。冬場、作物が作れない間もゴブリン肥料は撒けるだけ撒いておくべき!なくらいの優れものなのだ。

 んん、収納魔法とか無理なのか?魔法鞄マジックバッグとかがあれば参考に出来たのに。

 入れたアイテムの完全保存魔法—――構造は絶対零度…マイナス二百七十三度の瞬間冷凍?いや時間停止か!いやそれなら物理法則を無視した亜空間を作って時間停止ストップを掛けた状態にすればいいのか?

 ぐぬぬぬ。

 魔法は想像。

 出来ないって思ったら負けだ。

 僕だけの亜空間を作る。空間に裂け目を――ぎゅるるるるる!

 恐ろしい速度で回復していた魔力を吸い取られる。

 あ、これだめだ。

 帰れなくなる。

 死体ゴブリンを放置して家に帰宅する。

 幸い、両親は気づいていない。

 亜空間を作る段階で魔力疲弊マインドダウンを起こしかけるとは。

 これは収納魔法が完成するまでは狩りはお預けだなぁ。

 寝るために亜空間作りを再開して、気絶するのであった。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る