〈第二章〉Side:姫川京子 a Girl Ⅳ
大学の中庭は、まるで雪に覆われているように静謐な空間と化していた。
この白の真実を知らなければ、わたしも、その表面的な美しさを楽しむことができたと思う。
しかし、その真実は、あまりにも醜悪である。
もうわたしは、吐気に囚われることはないけど・・・いまだに嫌悪感はある。
白が世界を覆い続け、いずれ「世界」は“終わる”。
ただ、その“終わり”は、わたし達人間にとっての“終わり”であり、それ以上でもそれ以下でもない。
わたし達がいなくなった後も、世界は続いていく。
それなら・・・
何も問題はない・・・かな?
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