第57話
優しくも、仲が良いとゆうのもない、ただのクラスメイトだ。
「えー、なんで?」
と私はいったと思う。
「お父さんの転勤だって」
「寂しくなるねえ」
私はそんな相づちをうったはず、本当に寂しいなんてたぶん思ってもいなかった。
「バレンタイン近いし、チョコレート三人で渡そうよ!」
すぐそばに座る、菜穂ちゃんが提案する。
「いいねそれ、喜んでくれるかな」
授業が終わり、家に帰ってお母さんに相談することにした。
「典明君が転校することになってね、バレンタインに美優ちゃんと菜穂ちゃんの三人でチョコ渡そうって話になったんだよ」
お母さんと一緒に手作りチョコを頑張って作ったな。
初めての手作りだった。だから、美味しくなかったはずだ。
バレンタイン当日。
「典明君、はい」
教室で典明君にチョコレートを手渡した。
「え、ありがと」
典明君は少し驚き少し笑った。
「転校しても元氣でね」
「うん」典明君はチョコを鞄に押し込んだ。
美優ちゃんと菜穂ちゃんが席にいた、私も自分の席に着いた。
「二人はもう渡したの?」
「渡すのやめたよ」
「やっぱりやめようってことにしたの」
唖然とした。
なんで、私に言わないの?
チョコを渡したのは私だけ、しばらくクラスの間で、典明君を好きなんだと噂さされた。
そんなことないのに、凄く嫌だった。
それで、人間不信になった。
だから、
今でも、
人を信じるのが怖い。
「お姉さんありがと!」
子供たちはお礼をいってまた遊びに行った。
手をふって見送った。
「あれ? なんか調子よくなったかな」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます