第48話

「クゥーン」

つぶらな瞳がカレンを見つめてた。

「わぁぁ」

「お父さん、この子可愛いね!」

 カレンは、すごく嬉しそうな笑顔でそう言った。

悟大は家につき、リビングでテレビを見てた。くつろいでると、兄が戸を開けリビングに来た。

「ほれ」

 ポンっとなにやら投げてきた。

 悟大がそれをキャッチする。

 箱に入ったガリュオンの超合金のフィギュアであった。

「どうしたのこれ!」

 大きな声で悟大は兄に問いかけた。

「プレゼント」

「わーい」

 悟大はすぐにフィギュアを出して遊びはじめた。




 正月を迎えた。

 これといって、初詣に行くわけでもなく、かずきは基本的にいつも寝正月だ。

「あけましておめでとう」

「あけましておめでとう、ところでなんでおめでとうなの?」

 陽太のいつもの疑問である。

「なんでだろうな」

 昔から、みんなが言っているから言っていたのだが、かずきはどんな理由で言われているのかわからなかった。

「新しい年を無事に迎えることができておめでたいとかじゃないか? 身内が亡くなったりすると、おめでとうとか言わないようになってるしな」

「へー、その時はなんていうの?」

「今年もよろしくお願いしますとかだなあ」

 特に二人は特別なことをするわけでもなくて、元旦もいつもどおりだ。

 違うのは食べ物くらいだろう。

 餅をほおばっていた。

 きな粉をかけて。

 白くて甘い結晶の塊も混ざってる。

 かずきの分には醤油が。

 揚げ餅のカリカリの表面にかけられた醤油の香り。

 赤い袋に入った餅が大量に台所に置いてあった。

 いつもは見かけないためか、袋の色が赤だからそう見えるのか、存在力をはなっていて、

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