第46話

変わり、パイのシチューもやってきた。

 こういう風に、わいわいとクリスマスの日を楽しむのはいつぶりかなとかずきは思う。

 一通り食べ終わり、プレゼントの交換を始めることにした。

 袋に各自持ち寄ったプレゼントを入れていった。

「二個入れるねえ」

 と陽太はニコニコと手を入れる。

「なんで二個?」

 悟大が言った。

「入れたいからいれる」

 子供たちから順番に、取ってもらった。

 カレン、悟大に陽太の入れたプレゼントが当たった。

「陽太君のだ」

「あけよ」

 二人してプレゼントを早速開けはじめる。

 カレンにはテントウムシのブローチと、悟大にはベニテングダケのバッチだ。

「なんでテントウムシなの?」

「かっけーこれ!」

 陽太はニコニコとするだけだった。

 それから、陽太は二つのプレゼントを袋から取り出した。

 まず、

 カレンの方から、箱を開いた。

 スノーボールだ。

 ガラスの中に雪だるまが住んでいて、サッと振ると雪がきらきらと降るのであった。

「ありがと」

「どういたしまして」

「どれどれ、悟大君の方は」

 陽太が開けると、

 うわ! 

 といって箱を絨毯に放り投げた。

 箱の中からゴキブリが顔をだす。

 志乃は口を開いて白い顔でそれを見てた。

 そっとかずきが近づいてそれを見た――おもちゃであった。

 悟大はニヤニヤしている。

「あーびっくりした」

 陽太はおもちゃを箱に戻し、お礼をいった。

 志乃はしばらく固まったままだった。

リースがドアに飾られている。この輪っかは悪霊の侵入を防いで、中にいる人を守るとされていて、緑は果実をつける植物を災いから守る意味をもっているとされているようだ。

「写真でもとりましょうよ」

 そう、志乃は三脚をどこかから持ち出してきて、カメラをセットしはじめた。

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