第45話
陽太はかずきに聞いた。
「ケーキなあ、甘いやつだな、俺は好かんけど」
「ホットケーキみたいなものかな?」
ホットケーキは陽太に作ったことがあった。
「いや、ちょっと違うなあ、んーまあ同じくらい甘いぞ」
「あ、志乃だ」
陽太がいうと、志乃が二人の前方で手を振っていた。
「二人とも何しているの?」
近づいてきた志乃は笑顔でそういった。
「今から、クリスマスパーティーの飾りを買って、ケーキの予約をしに行くんです」
「面白そう、パーティーやるんだ」
志乃はそれを聞いて少し目を見開いた。
「僕の友達、ふたり呼んでかずきの部屋でやるんだよ」
「あの狭い部屋で?」
「ひどい言われようだな、他に場所ないですし」
「子供三人いたら、ぎゅうぎゅうじゃないあの部屋」
「覚悟の上です」
「なんの覚悟よ、よかったら、私の部屋提供しましょうか? 楽しそうだし私も参加しよ」
「え、いいんですか」
渡りに船だ。
「うん、とりあえず、ケーキはかずき君の奢りでふんぱつしましょう!」
いつになく張り切っているなあと、かずきは思う。
「わーい、ふんぱつ」
陽太と志乃は嬉しそうな反面、かずきは財布の中身の確認をしていた。
ケーキは、二人がこれがいいと言うものを予約した。
ケーキというか模型みたいで、シフォンケーキや、クッキーでできた家とサンタの衣装を着こんだ雪だるま。それは、クリームの雪原に佇み。赤い服はイチゴだった。
なんと食べるのが勿体ないとおもうような代物だった。
「すごーい!」
カレンは目をキラキラと輝かせ、悟大もじっと目の前のモノを眺めていた。
「よし、切り分けるよ!」
志乃は嬉々としながら、パンナイフを握っていた。
「えー、勿体ない」
とカレンが残念がった。
「食べないと、わるくなっちゃうからね、そっちの方が勿体ない!」
志乃はどんどんケーキを切って分けていく。
子供らは好きな物を選んで、志乃とかずきは余り物をもらった。
テーブルに志乃が用意をしてくれた、チキンの丸焼き、ポテトサラダに、ブロッコリーとトマトのクリスマスツリーがあった。ポテトサラダは雪だるま、カラーピーマンは星に
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