第44話

「え」

 唖然とする陽太。

「いいねえ」

 カレンの提案にのる、悟大。

「え」

(どうしよう)

 陽太は家に帰って、料理の支度をしているかずきに先ほどの件を言うことにした。

「かずき……あのね」

 もじもじとしている陽太を見て、かずきは片眉をもちあげる。

「ん?」

「かくがく、しかじかでー、あーだこーだ」

「なん……だと?」

 狭苦しくて、とても子供が三人さわぐ部屋じゃない、だが、断るわけにもいかないため、とりあえず了承したが、子供らがクリスマスパーティーをするとなると、色々と準備をしないとならない、と思いいたり、買い物にでかけることにしたかずき。

クリスマスの飾り付けが至る所でされている。

 キラキラとした銀色のふさふさが。

 大きな雪の結晶が。

 白いスプレーを吹き付けられて

 トナカイが住んでいる窓ガラス。

 幻想的な灯り漂う。

 ショーケースの中の小さな滑車にのった

 プレゼントの箱、

 くるくるまわってる。

 赤服を着た人が人々に声をかけている。見上げるほど大きいクリスマスツリーがあった。陽太とかずきが見下ろすツリーには、赤、みどり、金のボールがつけてあり、電飾がゆったりとついて消えてを繰り返す。シャンシャンシャン、とBGMが耳に届いた。

 クリスマスツリーを飾る風習は、ドイツから来ているようだ。さかのぼっていくと、部屋の中に木を飾って、魔除けにしていたようである。それがいつの頃からか、飾り付けをするようになったみたいだ。

「あの、星がてっぺんについているだろ」

かずきが、いうのに陽太が応じる。

「あるね」

「イギリスだとあれが天使の飾りになるみたいだぞ」

「天使かあ」

「あの丸い飾りは、リンゴなんだってさ」

「色んな色があるんだね」

 二人は大きなツリーを何処かの建物の三階辺りで、しばらく眺めていた。

「ケーキの予約とちょっとした飾りでも買いたいよなあ、とりあえず、ケーキ屋だな」

「ケーキって美味しいの?」

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