第42話

「マジカル……

三人はまた最初から始めた。

「梅干しと言ったら赤い」

「赤いと言ったら赤ちゃん」

「赤ちゃんといったら可愛い」

「可愛いと言ったらカレン」

陽太「ぶっぶー、カレンちゃんは可愛くありません」

「はあ?」  

 カレンの形相は恐ろしいものになっていた。


 三人が公園で遊んでいると、

「あ、ねぇ見て!」

 カレンが声をあげ言う。

「すごい」

「なんでこうなってるんだろう?」

 地面に落ち葉を集めて可愛いくまが描かれてあった。

 陽太は、いつも公園の掃除をしてる、おじいさんがこっちを見つめているのに氣づいた。

(あの人こっち見てくるけどなんだろう……)

 陽太は、おじいさんがくまを描いたとは思いもしなかった。

 三人は見るのに飽いて、また遊びだす。

「ねえ、二人はサンタさんに何を頼んだの?」

「うちサンタさんこないんだよな」

悟大は平然とそういった。

「え、嘘でしょ?」

 カレンは耳を疑った。

「ほんとだけど」

「そんなお家もあるんだ」

「陽太君のとこは?」

「サンタさんってなに?」

「そっからかあ」

 悟大は呆れていった。

「プレゼントくれるおっさんだよ」

「いい人だね」

「外国だと、悪いことしてると石が靴下の中に入ってたりするんだってよ」

「そんなにいい人でもなさそうだね」

「私この前、ね……」

クリスマスツリーがリビングに飾られて、電飾がまかれ、ちかちかと明滅している。てっぺんにある星がデカデカと目立ってる。

「可愛いなあ」

 テレビで犬を見てカレンは親にいった。

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