第32話

 今日は中秋の名月が見れる日。

 お団子を買ってきていた。

みたらし団子。

 窓を開けると、澄んだ空氣が肌を撫で。

 中天にかかる満月。

秋風になびく薄雲。

「よいしょ」

 かずき、陽太はお団子をほおばっている。

「なんか、いつもとそんなに変わらない氣がするけど」

 陽太は団子をもぐもぐとしている。

 たしかにかずきもいつもと似たような月だなと思った。

 かずきも口をもぐもぐとさせていた。

「そんなもんだ、いっつも綺麗なんだよ月ってもんは」

「そっか」

「お月様ってお団子に似てるね」

 陽太は串に刺さった団子を上に掲げ月と重ねた。

 そしてパクリッと口に入れた。

「おいし」「ああ、確かに似てるな」

 二人は団子を食べている。

 実はカギ括弧の中身は聞き取れるような言葉になっていなかったので補正をしてある。「歯磨きして寝るぞー」

「はーい」

 二人は、流しの前に並び歯ブラシに歯磨き粉をちょんとつけた。

「歯ブラシを四十五度くらいにして、一つの歯を三十秒くらい磨いとけ、虫歯になったら痛いからな」

 はーいと口を泡だらけにし、陽太は返す。

「牛乳とかビタミンCとか摂っておくと歯に良いみたいだぞ、俺は毎日摂ってる、歯は命だからな」

「命なの?」

「物食えないと死ぬだろ、だから大切なんだよ」

「もし無くなったらどうなるの」

「入れ歯だな、自然の動物だったら死んでる」

「えええ」

「まあ、自然の動物が虫歯になるってことはそうそうないと思うけど」

「人間だけ?」

「わからんけど、人が虫歯になりだしたのは穀物とか食べ出した辺りって言われてるけどな、穀物食べるの人間くらいだろ」

「穀物ってなに?」

「米とか小麦だな、小麦はパンの原料」

ここもカギ括弧の中身は殆ど言葉になっていないため補正してある。

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