第10話

まずルハラからの依頼は最優先順で話すとこの3つだ。


・奴隷にされた人達の救出

・黒幕を拘束

・組織の壊滅


ルハラは奴隷された人達だけでも救出して欲しい事だ。ギルドから借りた魔力で動く魔動機車を借りてレイヤが運転をする。


「貴方達がルハラさんからの紹介の冒険者様ですね」


ルハラからの地図を頼りにある村に到着をする。すると村の入り口に1人の男性の男が立っていた。


「あ、はい。一応これを」


レイヤはルハラから渡された手紙を渡す。


「確認いたしました。それでは私の家に案内いたします」


案内により村のど真ん中にある大きな建物に案内をされ、椅子に座って待っていた。


「私はこの村の村長を務めさせてもらっているキルトと申します。我々らをお助けいただき、心ら感謝をいたします」


キルトは深く頭を下げる。


「アンタが頭を下げるべきなのは俺達じゃない。俺達はただ、ルハラからの仕事を受けているだけだ、その敬意を向けるべきなのはルハラの方だ。それで、詳しい話を聞かせてもらう」


この3ヶ月、違法な奴隷商人ブフはこの近くの森を拠点として隣の大陸から引越しに来た時言う。連中はその森にある廃屋を改造し、村人と特に女性を誘拐をして奴隷として売り捌いているらしい。

 殆どの女性は周りの街の強力で救出したり、買い取ったりしたが、2割ほどの村人は未だ帰って来なかった。そして、今日から3日後に、人さらいは捕まえた最上級のエルフを奴隷として売り飛ばすという話も調査済みの様だ。会場はこの近くの街の地下でその準備の為に近くの森の拠点で潜伏していたらしい。


「聞いてて反吐が出る話ですね」


カナデはそんな事を平然とするブフに怒りを覚えていた。


「んで?その拠点はどこにある?」


「他の冒険者様の調査によると、ここから南の20キロ先にあるそうです。明日に他の冒険者様達がこの村に集結いたします。奴隷商人達は明日の昼の3時に出発するそうです。その時に一斉に取り掛かると言う事です」


「...はぁ、罠だな」


「え?」


「今日、その拠点を潰しに行く。俺達は4人で」


「危険です!明日に向けて他の冒険者様を待つべきです」


「明日じゃ意味がないんだよ。十中八九罠に決まってる。今攻め込んだ方が効率的に良い」


「そうですね。レイさんの言う通り何か怪しいですね」


「あ、怪しい?一体私の話のどこが怪しかったのでしょうか?」


レイヤは出されたお茶を一口飲んだ。


「だって可笑しいとは思わないのか?あまりにも情報が正確すぎる。アンタの話をよるとブフは隣の大陸から逃げてきた程隠密に関しては特化してんだろ?そんな奴が情報が筒抜けなのが怪しいすぎる。その時間に出るので襲ってくださいと言ってるもんだ」


レイヤの言葉にキルトは『確かに』と頷いた。


「今頃、会場の準備じゃなく、俺達冒険者の罠の準備をしていると思うぞ。ああ、本当に分かりやすい罠だな、確かに冒険者は強いとは言われているが深く考える奴があまり居ない。冒険者の弱点を突いていやがる」


「だから、レイちゃんの言う通りに、今準備中の奴らを叩きのめすって事よ」


「で、ですが、あっちは100を超える人数がいると言う情報です」


「それも、嘘だよ。こりゃ、冒険の運営側にも裏切り者がいるな。100人もいて隣の大陸の奴らから無傷で逃げれると思うか?せいぜい20人か多くて30人程度だよ。大丈夫、もしもの為に切り札は何個かある」


レイヤ達は椅子から立ち上がる。

机の上の資料を受け取る。


「ここにそいつらのアジトがあるんだろ?カチコミに行こうじゃねぇか」


レイヤ、リン、カナデ、クロエの4人だけで奴隷商人ブフとその組織の壊滅に向けて出発するのだった。

 今まではモンスター退治か薬草集めとか、そんな感じの依頼を受けてきた。だが今回は初めての人退治の依頼だ、カナデ以外は人を殺めた経験はある。レイヤ達の外の世界がどれほど強いのかと、どこが楽しみもあったのだ。








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