第7話

「ねぇ、レイちゃんと話したい」


「ダメェ!レイヤはあたしの!」


「むぅ〜ケチ。別にリンちゃんから取るわけじゃないのに」


飲食店にて、リンはずっと守る様にレイヤに抱きついて獣人族の少女クロエを近づけさせない様にさせていた。カナデも何故かクロエに敵視を向けていた。


「レイヤはあたしの!絶対に渡さない!」


「だから、奪ったりはしない。貴方がレイちゃんの1番でも構わない。2番目でも3番目でも構わない、レイちゃんの夫婦の関係になりたい」


「いやいやいや!レイヤはあたしとだけ結婚するの!嫌なの!」


リンは子供の様に駄々をこねる様にバタバタと足で地面を蹴っていた。流石に目立ちすぎたのか、他の人に会話を聞かれているのか、レイヤに向ける視線が痛い。


「むっ、ケチな女は嫌われる。夫を楽しませるのが妻の勤め。男は常にハーレムを求めている、独り占めをしていると、愛想を尽かす」


「...うう」


『リン、騙されるな。俺は絶対にリンを見捨てたりしない』っとレイヤが伝えようとした瞬間にリンが先に答える。


「た、確かにレイヤにして欲しい事をさせたい。レイヤがそれを望むのなら我慢する。でも、あたしが絶対に1番だから。あなたが2番でも3番でも構わない、あたしが1番だから!」


「いや、俺の意見は?俺リン意外とそう言った仲になるのも抵抗あるし、逆にそうだとしても俺はリンが他の男とそう言った仲になるのも嫌だ」


「別にあたしはレイヤ以外は興味がない」


「リン...」


レイヤはリンの感動的な言葉に泣きそうな顔になっていた。


「それにしても、私が着替えてる時チラチラと見ていましたよね」


「ブブー」


何故かカナデはブツブツと頬を膨らませた状態で小声でカミングアウトをする。まさか気付かれていた事にレイヤは驚く。


「か、カナデ?も、もしかして怒ってる?俺なんかしたっけ?」


「別に怒っていませんよ...私の方が先だったのに、何ですかこの取られた感じは」


何故か空気が重い。だが、レイヤはここでビシッと答えた。


「クロエ、告白してくれた気持ちは嬉しいけど、もう俺にはリンがいるんだ。ごめんね」


「...ボクにキスした。その責任は取ってくれないんだ」


「なっ?!」


クロエはニヤリと笑う。すると後ろからコックコートを着た大男が現れる。


「おい!レイヤ!今のは聞き捨てならんぞ!責任とかどうたら聞こえてきたが、手を出してしまったのらしょうがねぇ。ここは男して全員の責任をとれ!」


「おい!待て!俺は...」


「そうだそうだ!」

「この女たらしが!くたばれ!」

「良い男だと思ってたのに、浮気魔だったのね!」

「最低!責任取りなさいよ!」


「うおい!てめぇら!人の話を聞けぇ!」


レイヤ達は最近冒険者として有名になっていたのか、この街と人々と親しい程の関係になっていた。

すると、今日は休養だったマルクスが真剣そうな眼差しで近づいてくる。


「レイヤ、最初はこんな別嬪さんな嫁がいる事に腹が立っていたが、ここまでモテるとは...死ねばいいのに」


「何を言うと思えばそれか!」


「うるせぇ!責任とれ!」

「そうだそうだ!」

「結婚だ!女を泣かせるな!」

「結婚の金なら俺が出す!」

「いえ、教会の者として、女性を泣かせるのは見過ごせません。明日に教会に来てくれれば私が責任を持って無料で結婚の儀式を行いますよ」

「「「「「「結婚!結婚!結婚!」」」」」


「ガキかぁ!お前らは!...あーー!!!分かった!結婚すれば良いんだろう!」


「「「「「ひゅーー!!おめでとう!!」」」」


思わず言ってしまった事にしまったとレイヤは手で口を抑えるが、男が一度言ってしまった事は今更『やっぱり、無しです』って言うと男として終わっている。


「り、リン。本当に良いのか?」


「うん!あたしが1番と変わりがないからね。何人増えようがあたしが1番」


「お前もやってくれたな」


「レイちゃん、末長く宜しくね。ボクはレイちゃんの第三婦人」


「三?二じゃないのか?」


「え?気付いてないの?」


「はぁ〜レイヤは鈍感だからね。実際あたしの気持ちを一年以上も気付かなかったからね。カナデ、レイヤは言うまで気付かない男よ」


「え?!え!どうゆう流れですか?」


「貴方の気持ちを伝えるべき。このままボクに第二の席を取られてもいいの?」


「うう、でも私の国は一夫一妻が当たり前...いえ、ここは日本じゃない!れ、レイさん!」


「ど、どうしたんだよ。いきなり声を荒げて」


「わ、私はレイさんの事が好きです!結婚前提として付き合ってください!」


「...へ?」


まさか、本日2度目の告白を受けるのだった。















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