第5話
「私も冒険者になってみたいです」
「え?」
カナデと共に過ごしてから1週間近く経っていた。どうやらカナデは自分だけ宿に残って、2人が稼ぐ姿を見るのが嫌になったそうだ。
「でも、カナデは命を奪う行為があまりない世界から来たんだろ?あまり無理しなくてもいいぞ」
「嫌です。助けられた身として自分だけのうのうと安全な場所にいるのが耐えきれないのです。私も2人のお手伝いをしたいです」
「うーん、でもカナデが戦う手段がな」
カナデは殺し合う機会がほとんどない世界からやって来た。そんな平和に暮らしてた人間が冒険者は危険だとあまりレイヤは乗る気じゃなかった。
「大丈夫です。武芸の心得はあります。子供の時から父上に鍛えられています」
「手を見れば分かるけど...うん、分かった。なら、こうしよう。スキルに戦闘系スキルがあるのなら許可するよ」
「スキルですか...ふふ、良いですよ」
どこか自信のあるそうな表情が少し気になってしまった。スキルとは特殊能力みたいなものだ。人によって持たない者もいれば、多く持つ人でも3つは持っている。1人に最大7つまでスキルを持てると言われている。スキルは生まれた時から決まっているので、後から取得する事は出来ない。
そして、3人はカナデのスキルを確認する為に教会に向かった。教会にある水晶に手をかざせばスキルが確認できる。まずはリンから
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・剣術補正(特大)
・魔力増量(大)
・聖天炎魔法
・豪腕
・武器保管(2/7)
・****
・
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リンが持っているスキルの数は6なのだ。一つは未覚醒のせいか未だ分からないままなのだ。そしてエクストラスキルとは、その世代で1人か2人、多くて3人しか持てないと言われる最強でオリジナルに近いスキル。エクストラスキルは大陸で30人いるか居ないかと言われている。
そして次はカナデの番になる。
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・剣術補正(大)
・魔術補正(大)
・幻覚魔法
・成長補正(大)
・限界突破
・空間保管(無限)
・神聖気魔法
・EXスキル
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「なっ?!7つだと!!し、しかも殆ど戦闘スキルじゃねぇか!」
しかも、ちゃっかりエクストラスキル持ちだし。
「これでレイさん達とご一緒してもよろしいですか?」
「ああ、約束しちまったからな。後で冒険者登録しないとな」
「やった!これでレイさんともっと長く過ごせます」
カナデは嬉しそうに笑っていた。
そして、カナデの冒険者登録のために教会を後にしようとした時にカナデに止められる。
「レイさんのスキルは見ないのですか?」
「俺の見てもあんまり面白味がないからな」
レイヤは水晶に手を翳すと文字が浮かび上がって来た。
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・獄炎魔法(封)
・神雷魔法(封)
・超人体質(大)
・精神魔法耐性(特大)
・****
・****
・EXスキル
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【
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「2つ...」
「本来なら俺のはラバーズエンペラーだが、下のはちょっと訳アリだ。他に聞きたいことはあるか?」
「この、封はなんですか?」
「あー、それは俺が封印してるからだよ」
レイヤの左耳にぶら下がっている2つの金のイヤリングに長細い棒がぶら下がっているのは、自身のスキルを封印するものなのだ。
「封印?何故そんな事を?」
「うーん、強力なんだ」
「それって、まさか自分自身までに...」
「いや、全然。単なる強力すぎて戦いがつまらなくなるからだけだ」
「戦闘狂ですか」
「俺の一家はそう言われてるな。遺伝なんだろう」
そして、カナデの為の冒険者カードを作る為にギルドに向かう。
「レイさんのスキルって魔法系が多かったのですが、本当は魔法使いとかなんですか?」
「これでも剣士だと思ってる」
「うんうん、レイヤは凄いだよ!あたしの様に剣士系のスキルがないのに、このあたしと対等に渡り合えられる。本当すごい!レイヤはスキルなしで努力だけで強くなったんだよ」
リンは自分かの様にベタ惚れして来た。レイヤも少し気恥ずかしくなったのか、前髪を触りながら少し赤くなった顔を隠すのだった。
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