第3話
「はぁはぁ、助けてください!」
「へ!?ど、どうしたの!」
リンは少しボロボロな姿の少女にビックリをした表情を浮かべる。黒髪の少女はボロボロと涙を流していた。
「居たぞ!」
少女が通った道から鎧を来た数人の騎士が追いかけて来た。
「おい!そこの平民!その女を我々に引き渡して貰おう」
「...この子は罪人か?」
「違います!私達はいきなり知らない所に連れてかれ、何が何だか怖くて...」
「誘拐か?なら、罪人はあっちの方か?」
少女の目を見れば嘘は付いてないと分かる。
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ。早くその子を引き渡してもらう。今回は何も見なかった事にしてくれないか?」
するとリーダーだと思われる騎士が、お金がパンパンに入った布袋を投げつけて来た。
「金か...悪いが俺は困っている女を見捨てられない主義でね」
「そうか、大人しくその子を引き渡せば、命を済んだものの、男の威厳だが知らないが」
騎士達は剣を抜いてレイヤ達に向けてた。
「悪いがこっちは時間がないんだ。ここで死んでもらう」
「リン、何もしなくて良いよ。外の人間がどれ程強いか見せてもらう」
レイヤは刀を抜いて構えた。先に仕掛けて来たのは騎士達の方で、一斉にレイヤを襲うがレイヤは軽く受け流して斬った。
「クソ!」
最後に残ったリーダーの騎士は剣に水魔法を纏わせる。
「水の精霊魔法よ!*****第一位階魔法『
騎士は水の斬撃をレイヤに飛ばした。レイヤは斬撃を刀で受け流してカウンターを狙った。
「がぁっ!」
「...外も期待外れだな」
レイヤは刃に着いた血を払ってから、鞘の中に仕舞う。そして地面に座り込んでいる少女の顔を覗き込むようにしゃがんだ。
「大丈夫?立てるか?」
何故かぼーっと顔を見られてしまう。
「...はい、あ、ありがとうございます...わぁ!」
少女は立ちあがろうとした瞬間に、躓いたようでレイヤの胸に倒れて来た。レイヤはそれを受け止めて抱きついた様にキャッチをする。
「あはは、どうやら大丈夫じゃないっぽいね」
「...す、すみません!」
少女は頬を赤くする。
「あ、あの、た、助けていただきありがとうございます。いきなり連れてかれて何がなんだかと分からなくて、物凄く怖かったです」
「どこからか来たか分かる?」
知っている国ならこの子を返せるし。
「に、日本です」
「ニホン?まいったな全然聞いた事ないな。じゃ、どこに連れられたの?」
「えっと、ディスザニ帝国って所です」
「帝国か」
帝国は悪い噂しか聞かない国。私欲で他の国や小さな街を侵略して物資を奪うと聞いた。
確か帝国らエヴェン大陸だよな?
「ねぇ、いつまで抱き合ってるの?」
するとリンがリスの様にほっぺを膨らませていた。レイヤもしまったと少女を引き離そうとしたが、震えた手で服を掴んでいた事に、離したくても離せなかった状況なのだ。
「少し安全な場所に行こう」
3人は街の中に戻る。たまたま帰る際にゴブリンを見かけたので、ずっと拗ねていたリンが八つ当たり気味に倒してから帰る。受付嬢に今日討伐したゴブリンの部位を渡してから、ギルドの近くにある飲食屋に入った。
「リン、怒ってるのか?ごめんって」
「別に怒ってないし。あたしがレイヤしたい事なら、なんでもしてあげたいけど、でも...」
「はぁ〜」
レイヤは立ち上がり後ろからリンを抱きしめて頭を撫でる。
「ふふ、レイヤ〜。別にこれで許した訳じゃないから」
っと物凄く嬉しそうな表情で言う。
本当、昔からリンはチョロいなと思う。
「あ、あの〜。2人ってお付き合いしてるのですか?」
「うん!今度結婚するんだ!結婚だよ!結婚!」
リンは嬉しそうに話すと、何故か少女は少し悲しそうな表情を浮かべる。
「そういえば自己紹介はまだだったな。俺はレイヤ、そしてこっちはリン」
「私は黒崎奏」
「カナデ?聞いた事ない家名だね。やっぱり格好からして遠い国から来たのかな?」
「いえ、黒崎が苗字で名前が奏です」
「ん?俺所の国と同じか。うーん、ニホンってどこの国なんだろうな」
「多分、友達からの話を推測すると、別の世界から来たと思われます」
「「別の世界??」」
カナデから出たセリフに驚く2人だが、詳しい事は分からなかった為、それは後にして夜食を食べるのだった。カナデは保護する形でレイヤ達と一緒に過ごす事にした。宿の部屋は一緒だった事にリンとカナデは同じベッドを使い、レイヤは地面で寝る事にした。
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