第2話

中3の修学旅行で岐阜・長野方面に行った。

宿舎では、先生に

「あやめちゃんは、女の子だから、女の子といっしょにお風呂に入るようにねっ」

って言われた。それで、女子の友達と、お風呂に入った。みんな、ボクのこと、普通に女子として見てくれていて、女子のほうのお風呂に入っていても、何も気にしていないようだったから、めっちゃ嬉しかった。

夜は、女子のほうの部屋で寝た。学校でも女子といっしょにいるから、いつも女子と過ごしていて、ボクにとっては、それで自然なことなんだ。


善光寺に行った時、たまたま1人で歩いてたら、女子高生3人組に、話しかけられた。

「中学生?修学旅行なの?」

「あっ、はい。そうです」

「どうして1人ぼっちなの?」

「中3で転校したから、そんなに、めっちゃ仲良しの友達も、まだまだいないんで...」

「そうなんだ...じゃあ、仲良しの友達いっぱい出来る魔法をかけておいてあげるねっ...はいっ!これで、めっちゃ仲良しの友達もっともっといっぱい出来ちゃうよーっ!じゃあね~、バイバ~イ」

そう言って、女子高生のお姉さんたちは歩いて行ってしまった。

「ありがとうございますーっ」

ってボクは、お姉さんたちに向かってお礼を言っておいた。

お姉さんたちは、笑って手をふってくれた。


それから、ちょっと1人で歩いてたら、後ろから、クラスの女子たちに順番に抱きつかれて

「あーっ、あやめっちーっ、なに、ひとりで歩いてるの~?みんなといっしょに行こう~」

って言われて、それから女子のみんなと、善光寺の緑の木々の道を歩いて行った。

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