女の子みたいなボク

第3話

修学旅行で、岐阜･長野方面に行った。

行きの電車やバスでは、まだまだ、それほどめっちゃ仲良しの友達もいなかった。

だから、善光寺に着いても、ボクはなんとなく1人で歩いていた。

そしたら女子高生のお姉さん3人組に声をかけられた。

｢修学旅行なの？｣

｢中学生？｣

｢友達は？｣

｢中3で転校してからの修学旅行だから、まだそんな友達もいないんで...｣

｢じゃあ、友達出来る魔法をかけとくね！｣

って言って、お姉さんはボクの頭から体全体を、フワッと手で、優しく包み込んでくれた。

｢はいっ！これで友達出来るよ～｣

って言いながら、3人で笑って歩いて行った。

しばらく1人で歩いていたら、いきなり後ろから

｢あやめっち、いっしょに行こう！｣

って順番にギュッと、女子たちに抱きしめてられた。

それから女子のみんなと、善光寺の緑の木々の道を歩いた。

｢牛にひかれて善光寺詣り｣って描かれた湯飲みをお土産に買った。

宿舎に着いたら、先生に

｢あやめちゃんは、女の子みたいだから、女子とお風呂入りなさいねっ！寝る時も女子の部屋でねっ！｣

って言われた。

女子とお風呂に入っても、みんな何も気にしていなかった。

帰りのバスや電車では、女子の友達としゃべりながら大阪に戻った。

中学では美術部に入った。

授業でいちばん好きなのも美術。

あとは音楽と体育。

私立高校と府立高校、両方合格出来て、府立高校に進学することになった。

高校でも美術部に入って、大学も美術で進学しようかな～って思っている。