ラル子先生 10連発
※ラル子先生の生みの親は別な人です。自作のだけまとめ。
校長室
「ラル子せんせぇ〜〜!!あなた自分が何やったのかわかってるんですかああ!?」
校長室で立たされているのは新任教師のラル子。怒鳴っているのは教頭の岩井戸。腕組して唸っているのは校長の小山晃弘です。
「問題があるなら指摘していただけますか」
ラル子は寝癖の残った髪をボリボリとかいて言いました。
「自分のクラスの子が、ばばば売春してたんですよ!? しかもそれを黙認してたって!」
ラル子は指紋だらけのメガネを外して、はぁ〜と息を吹きかけました。白く曇ったレンズをダルンダルンのカーディガンの袖口で拭います。
(めんどくせえ…そんなの個人の自由だろ…)
「確かに、私は常口くんから、『俺さぁ!新しいパパ見つけたんだよ!ちょっとロックの話すれば「こんなことを知ってるなんて若いのにすごい、君は特別だ」ってちんこしゃぶらないでもいくらでも金出すんだぜ!ホテルに行っても「見ててくれよ、俺が前立腺でケツアクメするところ!うぉおおぉ!」なんつってさ、ほんとおっさんって滑稽だよな』という話を聞きました」
「君ねえ!なんですぐに指導しなかったんですか!!」
「そうっすね、次、相談されたらそうします」
「次なんてあるかぁ!!もう全国報道されたんだぞ!」
激昂した岩井戸先生は校長の机をグーで殴りました。机の上に乗っているNERVマークのついた湯呑がドン!とはねます。
「はぁ…はぁ…校長先生、こいつ自分から絶対辞職願い出す気ないみたいですよ…」
岩井戸は振り乱した髪をかきわけると校長に話を振ります。
「ラルにゃん」
校長の小山晃弘が口を開きました。
「小学生が、売春してはいけないのは、なんでか、わかるかな」
小山晃弘はゆっくりとどこかの教祖のように語りかけました。
「本職の風俗嬢の仕事がなくなるからですか?」
小山晃弘は「うわぁ、やっべえ、どっから説明すればいいんだよコイツ、モラルとか道徳とかねえのかよ」という顔をしました。
「もし君に妹がいたとしよう。妹がお金をもらって男と肉体関係を持っていると聞いたら、胸は傷まないかな?」
「はぁ、いくらもらったのかなとは思いますけど」
「もっと、真剣に、考えてみようか」
小山晃弘の眉間にはシワが集まっていきます。
「でも私、3組の遊子先生がパパ活してるって聞いてもなにも思わないし…」
「いますぐ遊子先生をよんできなさい…」
この日、午後の授業はなくなりました。
岩井戸とペグモン
「ペグモン、ペグモン、雨、ペグモン!雨雨ペグモン!雨!ペグモン!」
校庭でダンスをしている児童たちを眺めているのは岩井戸教頭です。
「もしもし細君?亭主です。3時からだから、録画ね。わかってるサインももらう」
周りではTVKのクルーたちがリハーサルを行っています。
今日は地元球団のマスコットのペグモンと教え子たちで「ペグモン体操」を生放送することになっていました。
岩井戸はいかつい見た目に反してペグモンファンでした。なので生徒たちへの指導も熱がこもり、児童たちはジャクソン5なみにキレキレに仕上がっていました。
「ペグモンさん入ります!」
ADのコールとともにバスからピンクのペグモンが現れました。
「うわぁ〜ペグモンだぁ!!」
「かわいい!!」
児童たちが一斉にペグモンに向かって駆け出します。
(こいつらもまだまだ子どもだな)
岩井戸教頭はポケットの中のサインペンを握りました。
「あっ!だめ!殴らないでね!」
なにか様子がおかしいです。児童たちとペグモンの間にADが割って入います。
見ると一部の児童がペグモンにパンチを浴びせています。
「あぁ〜すいませ〜ん」
そこに遊子先生がのっそりと現れ児童たちを強引にかき分けていきました。
「こらみんな!パンチしちゃだめ!」
普段は何を考えているかわからないし、飲み会になるとノーブラで店内を飛び回ることが岩井戸の頭痛の種の遊子先生ですが、今日は教師らしいところを見せています。
「いい!こういうタッパのある相手に見え見えのパンチしたら体重差で全然きかないよ!いつも言ってるでしょ、気合をいれても相手に効かなければ意味がない!」
なんだか不穏なことを言い出しました。岩井戸の背中に冷たい汗が流れます。
「パンチは素早く引く!上を意識させて、ローを下に振り抜く!」
ペグモンのむき出しのスネに全盛期の武田並のローキックが炸裂しました。
ペクモンは体をくの字にし、次に倒れました。
「すげえ!!遊子先生すげえ!」
児童たちは大喜びです。
「こかしたら数の理を活かしなさい」
ペグモンはあっという間に児童たちに袋叩きにされます。
岩井戸は呆然と眺めていました。
「うわ!くっせ〜〜!こいつウンコもらしたぜ!」
「クソもらしのペグモン!」
そこは小さな地獄でした。
「あっ、もしもし細君、録画ね、しなくていいから」
初冬の校庭に冷たい風が吹きました。
パパ活女子
遊子は金をもらってセックスするのが好きです。正確に言うとお金をもらわないセックスでは感じることができません。
遊子の初めては中2の冬、空手部の先輩とです。
仙台でのデートで入った安いラブホのことでした。
遊子は先輩の暴力にまみれた性格を好ましく思っていました。
しかしことが始まると、「好きだ」「愛してる」「お前のこと大事にするから」といい、遊子は言いようのない失望を感じました。
胸や股間を弄られてもくすぐったいだけで準備はまるで整いません。
すぐに先輩は遠くの高校に進学したので二回目はありませんでした。
遊子は相性が悪かったんだと、高校生になると声をかけられたら誰とでも寝ました。
底辺高だったので相手に不足することはありませんでした。みんなオスらしさを自慢しているのに、一度寝ると拝み倒して二回目をねだるようになります。
遊子は同世代を諦めました。出会い系サイトに登録すると次々食いついてきました。
その中の一人と会うことになりました。相手は30前の自称公務員です。仙台の駅で落ち合うと男の車で郊外のモーテルに向かいました。
道中遊子は「君みたいな地味な子が俺は好きなんだ」など気色の悪い言葉をかけられました。
モーテルの駐車場につくと男は遊子に手錠をかけました。
抵抗することは簡単だったのですが、今までに感じたことのない、強いて言うなら試合前のような高揚感があり受け入れました。
男は部屋に入るなり乱暴に遊子をベッドに突き飛ばしました。そしてパンツだけ脱がし強引に男性器をねじこみました。
遊子のソレはすんなりと男を受け入れました。男はオヤという表情をしましたが、腰を掴み激しいピストンをはじめました。
「生のオプション代だ」
耳元でそう言うと遊子の胸ポケットに3枚の万札を突っ込みました。
遊子は満たされていました。こんなに気持ちがいいと思ったのは初めてでした。
やがてその時が来ます。
「一万円やるから中に出させろ」
遊子は紅潮した顔を縦に振りました。
男は気絶した遊子を放置して帰ってしまいました。
遊子はその男にまた会いたいと探すもすでに退会していました。
しばらく後、遊子は新聞で男と再会します。
「小学教師、強制わいせつで逮捕」。
その時です。遊子に福音が聞こえました。
「教師って、倫理観がなくてもなれるんだ」
遊子は指定校推薦のある川崎教育大学に進むことを決めました。
メガマラクリスマス
「チンコがあればなんでもいい」
ラル子先生はペニスが大好きです。
酒を飲むたびにこんなことを言うので男も女もドン引きさせてきました。
「チンポハメたいなあ」
12月24日の深夜のことです。ラル子は「まだ通知表つけてねえのか!出来るまで帰るな!」と教頭に命じられ珍しく深夜まで残業していました。
ラル子は校長室からガメた「響」をストーブで沸かしたお湯で割りながら通知表をつけます。
最初は真面目につけていましたが、すぐにめんどくさくなって全部最高評価、一言は全部「過去最高の生徒」とだけ書きました。
「ら〜るにゃ〜ん」
ラル子の背中に誰かが抱きつきました。
「んちゅ〜」
ディープキスをかましてきたのは遊子先生でした。
「絶対男持ち帰るって言ってたのにどしたの」
ラル子と遊子は今日はオフ会の予定でした。
「あいつらだめ!野郎だけでホテルにいっちゃった!」
「あたしらのフォロワーだもんね…」
二人は酒臭いため息をつきました。
「トイレから帰ってきたときこんなふうに!」
遊子はロングスカートをバサッとたくしあげました。ノーパンです。
「下の口でこんにちわしたのに!」
ラル子は笑いました。
遊子は「あたしにメガマラがあればよかったのかなぁ」とつぶやきました。
そのとき、時計が12時を告げます。
「メリークリスマス、遊子先生」
「メリークリスマス、ラル子先生」
「メリークリスマス、ふたりとも」
3人目の声に二人は仰天します。
「ホッホー!メリークリスマス!」
そこにいたのはサンタでした。
その証拠にサンタ笑いしています。
「今年一年良い子にしていた遊子先生にプレゼントだよ!ホッホー!」
サンタが笑うと部屋が真っ暗になりました。そしてすぐに明かりがつくと、そこにサンタはいません。
「なに今の」
ラル子がキョロキョロしていると、遊子が雄叫びを上げました。
「メ、メ、メガマラだあ!!」
遊子がスカートを上げると本来穴があるべき場所に500mlペット並の棒が立っています。
「どうしよう、チンコが生えちゃったよ…」
遊子がぺたりと座り込みました。スカートはテントのように盛り上がっています。
するとラル子は遊子をおもむろに組み敷きました。
「重いよラルにゃん!」
フシュウと荒い息をはくラル子は聞く耳持ちません。
「いただきます」
ラル子はチンコがあればなんでもいい、それは真実でした。
5S運動
ある日の放課後、職員室の岩井戸教頭の前にいつものようにラル子と遊子がたたされています。
「君たちも大人だし、児童たちを指導する立場にあるわけで、私だってこんなことをグチグチ言いたくないんだ」
岩井戸は去年より広くなった額に手のひらを当てて言いました。
「だが、いくらなんでもあれはひど過ぎる」
岩井戸の指さした先はラル子と遊子の机でした。
ラル子の机の上は業者からのサンプル、使い終わった教材、あまったプリント、なんかよくわからないもので埋め尽くされています。
「ラルにゃん、あれはないよ」
遊子がケタケタ笑いました。
「えー、遊子先生のが悲惨でしょ」
遊子の机の上は空き缶や食べ終わったカップ麺などの残飯、空き容器、さらにはなんであるのかわからない動物の骨でごった返しています。
「あれは全部使うものだよ。ラルにゃんのほうが駄目でしょ」
「いっしょにしないでよ、私はさすがに食べ物は捨てるよ」
ドン!と岩井戸が机を拳で叩きました。二人はだまります。
「君たち、校長先生が新年の挨拶で言った、5S運動のことをおぼえているか」
岩井戸が言ったのは、職場改善の5つのSと言われる「整理、整頓、清掃、清潔、躾」の標語です。
「もちろんです」
「よし、じゃあラル子くん、1つ目のSは?」
「SEX!」
「アホ!バカ!遊子先生!2つ目のSは!」
「酒!」
「このロクデナシどもが!」
「あはは!ラルにゃんセックスはないよ!」
「でもいいよねえ、セックスと酒に溢れた職場」
「よくないわアホ!いいか、まずひとつ目のSは整理!」
「生理休暇?」
「アホ!バカ!なんで教師になったんだよお前ら!」
そうこうしていると岩井戸の目から涙が出てきました。
「なんで教頭先生泣いてるんですか」
遊子が訪ねました。
「最近、何もなくても涙が出るんだよ!生理休暇取りたいのは俺の方だ!」
「教頭先生かわいそう」
「教頭先生誰にいじめられたんですか?私、シメにいきますよ」
岩井戸は机に伏してエンエンと泣き出しました。
そのあと岩井戸は校長室に呼び出されて「涙で同情を買おうとするのは品性下劣、うんこを我慢できない赤ちゃん以下だ」と説教されましたとさ。
ちゃんちゃん
オープンレター
ある日の校長室です。
応接セットには小山校長と3人の保護者がいます。
「私達からのオープンレター、お読みいただいたにゃますか」
保護者から「子供たちを守るためのオープンレター」が届いたのは数日前です。
内容は資質に著しくかける教員のせいで教育環境が既存されているから、「不祥事」を「なくしていこう」というものです。
ネット経由で集められた署名には保護者やTwitterの有名人がずらり。
そこにはラル子や遊子の名前こそ書かれていませんが、具体例としてあげられている不祥事はほとんど二人のものであり、二人をクビにしろとせまるものでした。
「蕗宮さん、読ませて、いただきました」
校長は赤線がつけられた印刷物をテーブルに載せました。
「お気持ち、おさっしします」
「ならわかってにゃすわよね」
蕗宮は懐から出したパピコをパキンとわり、ひとつを小山に差し出しました。
「ですがね」
小山はパピコを手で謝絶すると続けます。
「こういうやりかたは感心しません」
「にゃんざますと」
「確かに、我が校では不祥事が絶えませんし、資質に疑問がある教員がいます」
「なら早くあんなのクビににゃさい」
「でもね、蕗宮さん、私たち教育者もまた、被教育者なのです。今は確かに、彼女たちは、教師というか、人間としてどうかと思います。たまに自分が校長なのか、動物園の園長なのかわからなくなる。でも、彼女たちには、未来がある。生徒たちと同じで、未来がある。だから、こういう未来を奪うような、試みはやめていただきたい」
「随分無責任な言い方にゃます」
「うちの子なんて遊子にディープキスで酒流し込まれたんだぞ!」
「ラル子がうちの旦那と不倫したってネタはとれてるのよ!」
保護者は矛を収める気はありません。
「そうでしょう、だから次に不祥事があったら私が責任をとります。私が辞めます。私が彼女たちを立派な教師にします」
小山はソファから離れ土下座しました。
「嘘はにゃいにゃますか」
蕗宮は再びパピコを差し出しました。
小山がそれをうけとりました。
「これは契りパピコにゃます」
二人がパピコを口にしよとしたその時です。
「校長!ペグモンが遊子先生に復讐に来ました!
ペグモンが校門で遊子を出せって言ってます!」
校長室に乱暴に入ってきた岩井戸は顔面蒼白でした。
(これは、Kissでごまかせるかな…)
小山、試練のときでした。
今からでも間に合う!君も書こう!「ラル子先生」シリーズ
登場人物紹介
岩井戸教頭:主役。主にツッコミ。生徒、教師からの人望が厚いが、たまにやる昭和チックなリアクションは賛否ある。元ロックバンド「ROCKWELL」のリーダー。妻は元プリキュアで、疲れて帰ってきた夫が寝てる間に、魔法で体力全快させている。そのため心は壊れているのに体が動くので今日も元気に仕事に行く。
ラル子:新任教師。酒と男にだらしない。体もだらしない。勤務態度もだらしない。岩井戸の心を破壊したモノ①。最近大学生の彼氏が出来た。ちなみにラル子は本名ではない。
遊子:新任教師。歳はラル子の方が先輩。岩井戸の心を破壊したモノ②。宮城の山奥からセックスとヴァイオレンスを求めて川崎に来た危険な女。酒癖が悪い。よく血まみれで発見されるが、だいたい返り血である。
小山校長:曲者揃いの教員をまとめる懐深さのあるやり手。しかしストレスが限界に達すると第二の人格「晃子」が暴れ出す。「晃子」が担任を持つほど常に現れているということは小山も壊れてしまっている。中卒なので教員免許を持っておらずモグリのまま校長まで登りつめた。
蕗宮夫人:自分を保護者だと名乗るが誰の母親なのかは誰も知らない。岩井戸に毎日クレームの電話をしてくる。独特な笑い声。
常口:ラル子のクラスの児童。家庭内不和から両親の気を引くために「パパ活男の娘」をしている。一回目の補導は両親が泣いてくれたが、二回目三回目と事務的になっていく姿に失望し、失われた父親の役割を岩井戸に求めている。ラル子とは仲が良く、好みのチンポ談義に花が咲く。
中原カナ子:ラル子たちの先輩教師。ハイソ系お嬢様タイプなのだが、常にドスケベなことを考えており児童同士の性的からみを妄想している。妄想メモをラル子と遊子に読まれてしまい、二人からは「ロイヤルビッチクイーン」と呼ばれおもちゃにされている。処女。
ペグモン:地元球団のマスコット。ローカル局で冠番組をもつほどコアなファンがいたのだが、ロケ地にいた遊子に蹴られ、ショックで脱糞。おまけに骨折で入院。「小学校脱糞事件」がTwitterで拡散したことから、退院したペグモンを待っていたのは解雇通知だった。復讐の為にペグモンは足柄山で修行し、弱点だったスネを鍛え抜いた。全てを奪った遊子に勝つため戦いの舞台へと向かう…。
ロイヤルライター
「それでは皆さんごきげんよう。また明日」
中原先生が教壇でおじぎをすると、きれいなセミロングの髪がしゃらんとゆれます。
「先生さようなら!」
「先生ごきげんよう!」
児童たちは中原にあいさつするや、ランドセルを背負って教室を飛び出していきます。
去年、約百回不祥事がおこったこの学校で、中原は数すくないまともな教師、ということになっています。
「先生、今日誕生日でしょ!」
女子児童が5人ほど駆け寄ってきました。手にはリコーダーがあります。
「あらあら、なにかしら」
中原まあ!と驚いたポーズを取ります。
「せ〜の」
「ハッピバースデーナカハラセンセイ、ハッピバースデーナカハラセンセイ、ハッピバースデーディアナカハラセンセイ、ハッピバースデートゥーユー」
児童たちがぴーひょろとリコーダーを吹いたり歌ってお祝いしてくれました。
「先生おめでとう!」
ひとりが中原の首に花で編んだリースをかけてくれました。
「みんな、ありがとう、先生とってもうれしいわ」
5人の児童の頭を順になでていきます。
一見するとなんとも微笑ましい一幕ですが、中原の内面を少しのぞいてみましょう。
(女の子がならんでリコーダー吹いてるの、集団フェラしてるみたいでめっちゃエロいわ、まじ興奮する)
(この首輪で私、この子たちの奴隷にされちゃうのね、それで毎日毎日知らない男に二束三文でうり飛ばされて慰み者にされるの…稼ぎが悪いとこの子たちに頬をぶたれて…)
中原は起きてる時間の半分はエロいことを考えています。
ある時は授業中に児童が「先生、トイレ!」と言って立ち上がったときに「はい!先生はトイレです!」と返事したこともあります。
中原がニコニコと職員室に帰ると、後輩のラル子と遊子が岩井戸教頭に怒られていました。
しかし中原の頭は女児たちに命令されてあれやこれやと卑猥な目に合わされる妄想でいっぱいなので全く目に入りません。
机に座るとあとから反芻できるように妄想をメモしました。
(今日も充実した一日だったなぁ〜!)
中原は大きく腕を上げて伸びをしました。
その時、岩井戸が二人に説教していることに気が付きます。
(あの二人、とんでもないビッチなのよね…、私もビッチになりたいなあ…、遊子先生ってどんな初体験だったのかな、宮城生まれなのになんで川崎にいるのかしら、妄想がとまらなくなってきたわ)
中原のメモはとまりません。
例のプール
例のプールでのことです。
緑色の全身タイツを着た男が、ビーチサイドにいる少女に悩ましげなポーズを取るように指示しています。
「ヒジョ!次はしゃがみこんで」
マイクロビキニが小さな体に張り付いています。
それにレンズを向ける緑の男は一時も休まずシャッターを切ります。
ショートボブの髪を傾け笑顔をレンズに向けた少女は、足を揃えてしゃがみこみます。
「ヒジョ!次は膝を開いて!」
少女が膝を左右に開くと、M字開脚になります。恥ずかしいのか少女は両腕で股を隠します。
「手を上げて、頭の後ろで組んで!」
顕になった股間には、あるべきではないものがあります。
ビキニからへそ方向に向かってかわいらしい男性器が顔を出しています。
「ヒジョ!」
顔を赤らめる少女、いや少年を緑の男は撮りまくります。
「次はピース!」
少年は両手でピースしました。
(大人ってみんなバカだなあ、僕が警察に行けばあっという間に破滅するのに)
彼は大人が望むことを先回りして演じることが癖になっていました。そんな滑稽な大人を見て彼は支配欲を満たしていました。
「クソッ!もう我慢できねえ!」
緑の男がタイツを脱ぎだしました。
「今日は撮影だけって約束だよ!」
「うるせえ!チンポそんなおっ立ててるくせになにいってんだよ!」
緑の男は大人のペニスを取り出すとしごき出します。
「メス堕ち男子は自主的にフェラして一人前だ!オラァ!」
緑の男が少年を突き飛ばし、顔面に馬乗りになると鼻をつまんで強引に口を開けると、ペニスを口内にねじ込みました。
「ゴボッ!」
「フゥフゥ…フゥフゥ…」
緑の男は理性を完全になくし、少年の口内で乱暴にピストンします。
(やば…これ僕死んじゃうかも)
少年は呼吸苦で意識が遠くなってきました。
その時のことです。
「うちの生徒になにさらしてんじゃボケェ!!!」
ドガッと音を立ててドアが破られました。
そこには青いベースギターを担いだ岩井戸教頭がいました。
「常口ィ!生きてるかぁ!」
そのまま駆け出した岩井戸は両手でベースを構えると緑の男の土手っ腹に振り抜きました。
「ヒジョ!!」
緑の男はプールに落下しました。
「教頭先生…」
「ほら、帰るぞ」
岩井戸は常口少年を抱きかかえると、タオルをかけ部屋をあとにします。
「あ〜あ、お小遣いもらいそびれちゃったよ」
常口はとても嬉しそうに憎まれ口を叩きました。
虐殺の言語
「はい、それではいっしょに!」
中原先生の掛け声に小山校長と岩井戸教頭が続きます。
「ショタチンポ…」
二人は明らかに恥ずかしそうでした。
「もう、だめですよ、こういうのは相手に伝わってしまうんですから、気持ちを込めて大きな声で。サンハイ!」
「ショタチンポ!!」
半ばヤケクソに中年二人は声を合わせました。
今日は川崎市と友好関係にあるペグモ公国の王女プリンセスペグモが視察に来ることになっています。
あくまでオシノビなので、大々的には出来ませんが、三人でささやかな歓迎式典の準備をしていました。警備の都合で他の教員には伏せてあります。
「中原先生、ほんとにこのチンポチンポ言うのがペグモ語の挨拶なのかね」
岩井戸教頭がうんざりした様子で訊ねます。
「私、川崎外語大でペグモ語を専攻して皇族の通訳もしたことがあるんです!ショタチンポはペグモ語で『ようこそ友よ』という意味でもっとも格式ある挨拶なんです!」
「じゃあその次の『マゾチンポ、メスイキトコロテンチンポミルク』はなんなんですか」
「『友よ今日は心ゆくまで語り合いましょう』という意味で心ゆくまでお過ごしくださいということです」
「教頭、ここは中原先生を信じるしかないじゃないか、なにせペグモ語がわかるのは中原先生だけなんだから」
「私がいくらチンポチンポ言うのは構わないんですが、なんで常口を女物のパンツ一丁で待機させなきゃならんのですか」
セレモニーでは常口少年のパンツのリボンをほどき、あわらになった男性器にプリンセスペグモがキスすることになっていました。
「ペグモ公国では客人に最も淫乱な男の娘を見せるのが礼儀だからです」
「ホントか!?外務省にきくぞ!?」
「大丈夫です!!女装男子が嫌いな女子なんていません!」
今日の中原はいつになく張り切っており、岩井戸は気迫負けしました。
「それではいっしょに!」
「ショタチンポ!」
「次は!?」
「マゾチンポ、トコロテンメスイキチンポミルク!」
「はい、よくできました!」
校長室が一つにまとまったときです。
校長室のドアがそろ〜っとあき、ラル子が現れました。
「あの〜教頭」
「なんだ、今忙しいからあとにしてくれないか」
「遊子先生が、玄関で『チンポチンポ』喚いてる女の人にローキックかまして気絶させちゃいまして…」
三人は凍りつきました。
翌日、ペグモ公国は日本に宣戦布告しました。
挨拶
ある初夏の朝です。朝露に光る朝顔も鮮やかな、気持ち良い晴れでした。
今朝も校門で大きな声で「おはよう!!」と挨拶しているのは、この学校の名物岩井戸教頭です。
「教頭先生おはようございます!」
児童たちも元気におじぎします。いつもの光景です。しかし、ひとつ違うことがありました。
「遊子のチンポ気持ち良すぎだろ!チンポ気持ち良すぎだろ!!」
校門に入ってくる生徒たちがみなこの卑猥ソングを歌っているのです。
岩井戸もひとりひとりに歌うのを辞めるように注意します。
「往来でそんな歌を歌うんじゃありませんよ」
「女の子がチンポチンポ言うものではありません」
生徒たちは元気に「はい!!」と返事しますが、三歩歩くと「遊子のチンポ気持ち良すぎだろ!」と歌いだします。
8時を回った頃、エヴァ初号機のような姿勢の遊子が現れました。
「うっす!」
遊子はヒジをびしっと挨拶しました。
「おはようございますでしょ!」
岩井戸に言われると遊子は充血しきった眼をシパシパさせてから、「オッス!」と言いました。
岩井戸はこめかみのあたりを抑えてから言いました。
「そんなことよりこれはどういうことか説明したまえ…」
岩井戸が指差すと児童たちが例の歌を歌いながら現れました。
「ひどい…」
プールにビーバーのゾンビが現れたときにも驚かなかった遊子が珍しくショックを受けています。
「あぁひどいもんだ」
「こら!遊子『先生』でしょ!」
「え〜先生それじゃ歌いにくいよぉ〜!」
児童が文句をいいました。
「そんなことない!ほら!遊子先生のチンポ気持ち良すぎだろ!」
「そうじゃないだろこのおバカ!」
岩井戸が遊子にチョップしました。
「犯人はお前か!」
「いや、私じゃないですけど…」
「そもそもこんな歌流行るのはキミがだらしないからだ!なんとかやめさせなさい!」
「うっす!」
遊子は大きく息を吸いました。
「遊子のチンポ!気持ち良くない!チンポ!気持ち良すぎない!遊子のチンポ…」
「あほか!!!」
岩井戸が遊子に全盛期のミルコばりのハイキックを決めました。
血に染まる校門と道路を挟んで反対側、横断歩道で旗を降っていたのは中原カナ子先生でした。
寝不足でフラフラの中原は児童たちの前で、無意識でうわ言のようになにかうたっています。
「遊子のチンポきもちよすぎだろ…チンポ…きもちよすぎだろ…うふ、うふふ…」
ちゃちゃん
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