第45話 ゾンビキング討伐と、舞台裏
Side:スパロ
「出発だ」
プランタートラックの荷台に兵士を乗せて現場に急ぐ。
ナノのゴーレムは走って付いて来る。
ナノは疲れを知らないんだろうか。
精霊も眠るのかな。
そんな事を考えているうちに現場に着いた。
そこは村だったがゾンビに占領されている。
ゾンビのほとんどは元兵士のファイターだ。
こいつの剣で斬られると呪われるんだ。
厄介な敵だ。
『ベルベルに露払いさせて』
「ベルベル頼む」
「分かった。行くよー!」
ベルベルが杖を掲げると、光が幾筋も躍り、100体はいたゾンビファイターは全て倒れた。
ゾンビファイターは倒れたが、甲冑と杖を持ったゾンビが10体ほど現れた。
ゾンビナイトとゾンビウイザードだ。
ベルベルが杖を掲げるが何も起こらない。
魔力切れだろう。
「そんな」
兵士達の顔が青くなる。
「では私が<浄化>」
聖女様から光の球が出てゾンビの一団を包み込んだ。
ゾンビは動かなくなった。
「流石、聖女様だ」
「わたしの役目は終わりました」
聖女様も魔力切れ。
そして、豪奢な鎧を着けたゾンビが現れた。
「もう終わりだ。勇者様がいくら強くってもゾンビジェネラルには敵わない」
『俺がやる』
ゾンビジェネラルとゴレームが取っ組み合った。
力は互角のようだ。
『俺に構わず先に行け』
俺達は先に進んだ。
骨の玉座に腰かけているゾンビキングが見えた。
「我が眷属を葬ったのはお前達か。少し飽きていたところだ相手をしてやろう」
『スパロ、一騎打ちだ』
「俺がやる。手を出すな」
力が湧いてくるような気がする。
いいや、気のせいじゃない。
体が羽の様に軽い。
「邪悪ある所に勇者あり」
『続いて、邪悪は必ず滅びる、アカシックの理だと言って』
「邪悪は必ず滅びる、アカシックの理だ。参る」
俺はゾンビキングと斬り合いをした。
物凄く早く剣が振れている。
行けるぞ行ける。
「ふっ、手を抜いているとも知らず滑稽だな」
ゾンビキングのせせら笑い。
何だと!
「強がりを」
「どうかな」
俺の剣は弾かれた。
そして斬られた。
呪いに侵されたのが分かった。
力が抜けて体が重くなった。
「うそっ、スパロ立って!」
ベルベルが悲鳴ともとれる口調で叫ぶ。
「あれが貴様の想い人か。寂しくないように先に送ってやる」
くっ、負けるのか。
ベルベルだけは助けないと。
『ばばん、スパロは覚醒した』
体に力が戻った。
そして呪いも感じられない。
痛みもない。
俺は立ちあがり剣を取った。
『ここで最終奥義』
「邪を払う最終奥義シャイニング・ファイナル・ブレード!」
俺が剣を振り下ろすと、雷が落ちる音がして、閃光と共にゾンビキングは崩れ落ちた。
「勇者様万歳!」
兵士の声。
勝ったんだな。
ナノの奴、冷や冷やさせやがって。
「最終奥義万歳!」
なんか疲れたよ。
「痛い。体中が痛い」
『心配するなただの筋肉痛だ。良い夢見ろよ』
俺は倒れた。
兵士がプランタートラックに運んでくれて、ベルベルが甲斐甲斐しく介護してくれた。
恰好悪い事と言ったら。
Side:ハイチック8000
やって参りました最終決戦。
流れる雲が足りない。
稲妻とかもあるとなお良い。
無い物は仕方ないな。
雑魚はベルベルちゃんがやった。
ここでベルベルちゃんの活躍は終りね。
杖を使えなくする。
続いて出てきた小ボスはイユンティちゃんがやった。
イユンティちゃん強し。
このままだとラスボスまでイユンティちゃんが倒しそうなので、ここまでにしてと耳打ちした。
そして、中ボス。
ここでゴーレムは離脱。
みんなが行った後にゾンビジェネラルは瞬殺した。
さあ、ラストだ。
スパロの中にあるナノマシンに筋力を最大限使えるように命令した。
そしてラスボスとの戦いが始まった。
斬られるスパロ。
良いねえ、予定ではナノマシンの活動を止める予定だったけど手間が省けた。
そして、覚醒を演出。
ラスボスを倒してめでたしめでたし。
筋肉痛ぐらい我慢するんだな。
代われるなら俺が代わってやりたいぐらいだ。
あーん、されやがって。
羨ましいぞ。
きっと下の世話もベルベルちゃんにさせるんだぜ。
体があれば俺だって。
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