第17話 母中学校到着

ツキましたね~、中学校ぉ。コンビニから目と鼻の先なんっすよね。

あ~、何だか踊りたくなっちゃうぜい。テンション上がってきた!!


「は、早すぎましたかね?」


「そうだよ。(条件反射)まま、ええやん」


もうちょっぴり変人発言かましてからどうでも良くなっちまった。

いつも通りで行きまっしょい!!


「ふふ、都さんって面白い人ですね」


「そう?そうかなぁ?」


あんまり自信ないんですけど?芸人には向いてないっすね。シャイやし。


「あ、先に受付でしたっけ?」


「ほぉん。何の受付っすか?」


「ほら、あれですよ。不審者と思われちゃいますし」


「あ~それはダメですねぇ。お嬢ちゃん、受付ってどこ?」


そこら辺にいる生徒に聞いちゃおう。そっちの方が手っ取り早い。

眼鏡女子が目先に居たんで丁度良いや。


「え、あ、はい。そ…そのまま進んでもらったら、あの…下駄箱が見えますので、その先です。」


「あんがと、助かったぜい。早苗たん、そのまま真っ直ぐだってさ」


「あ、はい。あ、ありがとうございます」


可愛いですねぇ~。飼っても良いですか?

旦那さんにしばかれそうやから止めとくけど…。

それにしても~学校って何か懐かしい感じですねぇ~、十数年前くらい?


「な、何だか…緊張してきました。み、都さん私変じゃ無いですかね?」


「めっちゃ可愛い♪」


「へ?え、あ、そ、そうです?」


「うん、よう似合ってるぅ♪」


何なんこの子?つい頭撫でてもうたけど…ええよな?

手櫛はあれやし…後で直したろ。ぐふふ。


「ほ、本当にその久しぶりに着たので…その、も、もう…いいですよ?」


「あ、うん。ごめんね?」


手が離れない!?何と言う吸引力!!

くぅ…離さなければ…うぉぉぉ…。

妹キャラにしてぇ!!妹いるけど…早苗たんの圧勝!!


「あの…見られてるので…」


「くぅ…無念」


嫌がられちゃったら元も子もないし…仕方がない。本当に仕方がない。


「もうテストも終わっちゃったんですかね?」


「そうだろね。帰ってる生徒さんもチラホラいたしね」


ピロン。おん?聞き覚えがあるのぅ。

取り出しスマホぉ~。ロック解除。


『お母さんもう来てる?』


愛する娘からのプリン通知。くぅ、これですよぉこれぇ!

心配してくれてるんでしょ?まだ来ないのかな~ってさ。


『来ちゃったよん。玄関前ナウ』


…古いかな~。おっさんぽいって言われても反論できんな。

ピロン。返信早いのぅ。


『迎えに行くから待ってて』


おっほ♡可愛いじゃん。なになに?愛娘ムーブしてくれるの?

出会い頭にハグしちゃう?それともちゅっちゅ?


「どうされました?」


「瑞穂ちゃんが迎えに来てくれるって~。超うれぴー」


「ふふ。中学校はスマホは原則禁止ですよ?」


「良いの良いの。私ら身寄り無いし。んで特別に許可貰ってるから。」


「へ?どういう事です?」


「瑞穂ちゃんの非常時に連絡する人が私だけなんよ。親から絶縁されちゃってるからね。あっはっは」


「え?」


「シングルマザーの特権ですぞ」


「え?」


決めポーズ。ふふん、決まった?

ピロン。おほぉん?


『どこ?』


『ここ』


ふざけちゃった。ふふ、さて…どう返す?

ぴぴぴぴぴ。あちゃ~…、通話か~い!!


『お母さん、どこ?』


あれ、ちょっぴり怒ってる?なんで?


「あ、はい。えっと…教師一同の玄関口かと…」


『そっちね。分かった』


プープープー。怖っ…え、なんでなん?

あれ?なんで?怒らせちゃうことしたっけ?

いや、きっとあれですよ。待ち遠しかったんですよ。うん。


「いた!!」


瑞穂ちゃん瑞穂っちゃん、廊下は走ってはいけませんぞ?


「あ、瑞穂ちゃん。おひさ~。待ったかしらん?」


仁王立ちしちゃって~も~。怖いんだけどぉ、でも可愛いって言うか~。


「ん、まぁ…大丈夫かな」


「何が?」


「こっちの話。あ、シホのお母さん、こんにちわ。」


「こ、こんにちわ」


「お母さん、変な事してませんでした?」


「…してないと…思います」


あれ、シホちゃんママ?嘘苦手?あらやだ、可愛い。

瑞穂ちゃん見てる?早苗たんきゃわわですぞ?あらやだ、怖い。


「お母さん、後でゆっくりお話しようね?」


「はぁ~い。お話した~い」


いったぁ!!やめてやめて、いたいいたい。いやん、暴力反対…。


「もう、早く行くよ。シホも待ってますよ。行きましょっか」


「は、はひ…」


も~、早苗たん怖がらせちゃったじゃん。

…何か目覚めそうになっちゃうけど…ふむぅ。


「ほら、行くよ」


ぎゅっと握ってくれた手が妙に温かいね。ええやん。

その照れちゃった顔も可愛いよ。鼻血もんやでぇ…。


「はぁい♪」


廊下を少し歩いて、階段上がって…ここが瑞穂ちゃんが過ごしている所かぁ…。

何だか自分を重ねちゃってさ…感慨深いねぇ~。

私がいた所ってこんな感じだったかなぁ?覚えてねぇべ。


「ここ」


2ー1との表札が御座いますな。ふむふむ。


「ちょっと早いペースで終わってるんだ。次だよ」


「んお?まだ13時ちょいですぞ?まま、ええわ。」


ちょい待ちやね。

早苗たんもシホちゃんに合流できたし、良しとするか。


「テストどうだった?」


「大丈V。全問埋めたし、覚えてるところばっかりだった」


「ほ~やるやん。遅くまで勉強してた甲斐もあったんだね」


「まぁね。それよりお母さん、一つ注意」


「なになに?(揉み手)」


「変な言動禁止。ちゃんと喋ってね?」


「心得まして候(敬礼)」


痛いねん、そこは抓ったら痛いねん…。

ごめんちゃい。もう調子には乗りませんから…許してちょんまげ。


「わかった?(ぼそっ)」


うっほぅ、ゾクってしちゃったぁ!!ちみぃ、女王様の素質有るよ!?


「有難う御座いました~」


お、前の人が終わったようですな。

ほんほん、男子で御座ます。ふふ、瑞穂ちゃんに見惚れちゃ駄目だぜ?

いや、良いんだけどね?


「次は~藤さん。あ、いるね……」


「はい、先生。お母さん行くよ」


「分かったわ、瑞穂ちゃん。」


さて良妻…じゃ無くて良母ムーブでいきまっせ!!スイッチON!!

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