第16話 母早出しちゃった
先生ちゃんの介護も終わっちまったなぁ…。ふぅ~暇だ。
飯も食っちゃったし…時間までまだあるしなぁ~。
早めに行って学校近くのコンビニでムラムラするか?
スーツ姿のおばさんって目立ちませんかねぇ…?ま、えっか。
ん~?クリーニング出す前に着たけど…やっぱ少し小さいか?
まぁ、結構な年数経ってるしなぁ…買い直すのもあれだし。まま、ええわ。
「ふっ。早過ぎじゃね?」
1時間以上前なんですよねぇ…。ま、何かあるやろ。
「ほぉん、バンプス久々過ぎて気持ち悪…」
世のOL様は毎日コレ履いてるんだろぉ?すげぇわ…。
普段スポーツシューズやし、職場は長靴やし…何か窮屈で御座る。
あ~いや、ん~、行くか。
「変なとこは無いよなぁ?大丈夫かぁ?」
いつも通りの薄化粧。着こなしに問題は無さそう。多分。
髪は適当に纏めてるだけだしなぁ…瑞穂ちゃんに何か言われそう…。
元キャバ嬢キャピキャピメイクぅ…は嫌やし~。まま、ええわ。
「ガス元良し、戸締り良し。行くべ。鍵ぃロックぅ~」
ガチンコと…。あ、これノブやんに言ってみるか。
今頃やいやい言いながら鍋振ってるんかな?ぷぷぷっ。
最近昼時も忙しくなっちょるからのぅ…大変じゃて。
コンコンコンコン、カツって音はせんが…なんかいい感じの音ですの。
タップダンスでも試すか?
「って考えてたらもう着いちゃった。てへっ」
だってさ、徒歩5分以内なんだもん。しかたないね。
何かねぇかなぁ?腹減って無いけど…。
「ん~、おやつ的なモン持ってったら不味いか?」
冷蔵品…エクレアとかは溶けちゃうしなぁ…。
スナック菓子…は瑞穂ちゃんがあんまり好きじゃ無いしなぁ…。
甘い物好き好き同盟だからのぅ…飴ちゃん?持ってる。
ん~悩ましい…。
「あの、もしかして…都さん…ですか?」
「ほぇ?」
あ、カワイ子ちゃんに声掛けられちゃったぜ!!うひょ~♪
ん?どっかで見た様な…?
「あ、シホちゃんママさん!!」
「あ、はい…。詩帆ちゃんのママです…」
孫にも衣装…いや、異常すぎでしょう、この可愛さ。照れ顔も相まってイイネ!
あの可愛いスリッパ履いてぽてぽて歩いてた時とはまた違う何かが…。
おぉ…ええのう、グ~ですぞ!
「改めて、藤都と申します。先日は大変お見苦しい所をお見せしてしまい、申し訳ありません」
まず謝っとかな…ごめんちゃい。許してぴょん。
「あ、いいえ…。あの、私、
「堀田さんですね。娘の瑞穂ちゃんがいつもお世話になっております」
「こちらこそ。し~ちゃんがお世話になりまして…それに、美味しい御飯まで御呼ばれしちゃって、ありがとうございます」
「いえいえ、美味しかったのであれば良かったです。あ、そうだ。まだ時間は御座いますか?」
「あ、はい。私その…14時から三者面談でして…浮かれてしまって…」
分かるぅ。その気持ち…すっごい分かるぅ。
私もうきうき気分で出て来ちゃったもん。
「でしたら、何か飲み物を買ってお話しませんか?」
「あ、はい。あの、此処は私がお支払いします。先日のお礼を…あの」
「…では、喜んで頂きます。堀田さん」
「あ、あの…早苗で構いませんよ?」
可愛いぃ…何この子?仕草の一つ一つが同じ経産婦とは思えん…。きゃわわ。
やばいって~何かに目覚めちゃいそう。
着せ替えしたい。色々と着せてみたい。着ぐるみを真っ先に着せたい。
絶対可愛い!!(確信)
「お飲み物は何にされますか?」
「えっとぉ、君!…ってのは冗談ね。ホットコーヒーのSサイズでお願いします」
女性店員さんの吃驚お目目がちょっとあれだったけど…ごめんね?いやほんと…。
今ちょっと…かなり調子乗り過ぎてます。はい。
「ど、どうぞ…」
ごめんって~。視線だけでも合わしちくりぃ…。
「あ、ありがと」
「は、はい…」
深い意味は無いんです…変な客でマジゴメン。
瑞穂ちゃんに変って言われるの…今すっごい納得しちゃったわ。
「あ、あの…あっちに、座れるスペースありますので…」
早苗たんまでさ、何か…反応が鈍いんだよね…。本当にごめん。
のろのろとした足取りになっちゃうのは…しかたないね。
……気まずぅ。
「あ、あの、さっきのはちょっとその…テンションが変でして…」
(普段から変でしょ?)って言ってくる瑞穂ちゃんの声が聞こえた気がした。
「そ、それでですね。その、早苗たん…さんのお気に障ってしまってすみません…」
(もっと普段の言動見直したら?)うん、頑張る…頑張る?
(頑張る必要無いけど?)…そうですね。
(お母さん、そんなんだと一生変なままだよ?)はい…。
(生き方変えたら?)…キツない?このイマジナリー瑞穂ちゃん…。
(タヒったら?)そんなん言わへんもん!!瑞穂ちゃん優しいもん!!
「あの、都さん?」
「はい、都でございやす」
あっぶぇ!!イマジナリー瑞穂ちゃんに心昇天させられる所だった…。
サンキュウ、早苗たん。
「あ、あの…都さんはそう言う人なんですね?」
そう言う人って何じゃらほい?
「…え、どう言う人なんでしょう?」
「え、あ!す、すいません…何でも無いです…」
「待って待って。めっちゃ気になるですけど?」
「い、いえ、本当に何でも無いんです…」
んん?気になるぅ…。そう言う人ってなんだぁ?
ん~、あれか軟派な人と思われちったか?それとも…変人?
どっちぃ!?変人は嫌なんですけど!?事実だけど…。
「あの…私は至って普通で…変人では無いですよ?」
「?」
何言ってんだお前?みたいなお顔は…しないで欲しいなぁ♪
…沈黙痛いわぁ。選択肢…失敗しちゃった♪
「えっと…」
「おお、お待ちください!少し、少しだけ猶予を!!弁明のチャンスを下さい!!」
「え、え?」
「確かに、私はちょっと変人っぽい所はあるんですます。けど、けど、普通なんです。疚しい事なんてありゃしない馬鹿んな人間なんです。ただそれだけなんです」
何言ってんだろね?わがんない。
「あの…はい」
納得してくれたゾ♪
「良し。はい、そうなんです。ちょっぴり変人なんです」
いったぁ…くっそいったぁ…。変人って…自ら声に出して晒すって…。
都ちゃんスマイル保ててる?分からん。
「ふふっ。し~ちゃんから聞いてた感じと同じなんですねって言おうとしたんですけど、ふふふ。」
「あ、はい…そうなんです?」
「はい。ふふふ」
メッチャ可愛いやん…95点。ほっこりするわぁ。
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