第36話 エッ⁉

世の中には思わず

信じ難い事をのたまい

周りを

「エッ⁉」

と驚かせる奴がいる


桶星の友人B子ちゃん

とても素直で

心優しく

可愛らしく

旦那さんに一途で

子供を慈しむ

素敵な良い子ちゃん

なんだけど・・・


ちょっと

ほんのちょっとだけ

ずれてる


友人達と会食の席で

B子ちゃんが

大河ドラマ

『西郷どん』に

「ハマってる~面白い~」


ほう、それは珍しい

難しい話が苦手なB子ちゃんが

歴史ドラマを観ているとは


「私も観てるよ」

と桶星が言うと

B子ちゃんは嬉しそうに

「いっしょだねぇ~」

と言ったかと思ったら

少し不機嫌になっている


うん、どうした?


「でもさぁあれ変だよねっ」


うん、なにが?


「鶴瓶が出てるのって

    おかしくない?」


鶴瓶さんお上手ですよ


「やっぱり女の役は女優さんが

 やるべきだよね」


あれ、話が迷走してるぅ


「なんで女の役を鶴瓶がやるの!

 納得できない!」


・・・?


「岩倉トモミって女じゃん!」


はいっ⁈


「なんで女優さんにやらせないの」


エッ⁉何を言ってるB子よ


「岩倉具視って男だよ」

「女だよ」


エッ!なんだこいつ


「いやいやいや岩倉具視は

 男でしょうがぁ」

「女でしょ、だって❝トモミ❞だよ」


あれっ、こいつマジで

岩倉具視を知らんのかー⁉


「具視は具視だけど男なんだよ」

「なんで?トモミって女の名前じゃん」


うっ何と説明したらいいのだ

そうだ!桶星グッドなアイデアを

思いつきました

そして自信満々でB子ちゃんへ

「じゃぁ小野妹子は男?女?」

と投げかけた


どうだ、これなら納得するだろう

日本人なら歴史の授業で

初めてその名を目にした時に

誰でも疑問に思う

妹子なのにオジサン?ってね


しかしB子ちゃんの口からは


「えっ知らない、誰それ?」


えーー知らんのかぁい!

己は小野妹子を知らんのかーい!


噓でしょ⁉

冗談ですよねぇ

小野妹子を知らないなんて

だがB子ちゃんの目は真剣だ

本当に知らないんだ・・・


桶星一気に挫ける

どうやって岩倉具視が

男であると教えたらいいの⁈


そこに別の友人が入り

B子ちゃんに向かって

「郷ひろみは男?女?」

と投げかけた

するとB子ちゃん

「男!」

と即答し暫し沈黙の後


「あっそうかぁ

 男でも❝ミ❞が付くのねぇ~」


B子ちゃんへの例えの正解は

小野妹子では無く

郷ひろみだったとはぁ

桶星完全敗北


まさか?

とは思うが

B子は聖徳太子も

女だ認識しているの?

怖い・・・

怖くて聞けません














  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

捨てる神ありゃ拾う神なし。足元見れば崖っぷち。 桶星 榮美OKEHOSIーEMI @emisama224

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ