第26話 ミー浮気がバレる

大体の飼い猫は

遊びに外へ出る

屋内の出入り自由

気ままな猫暮らし


桶星家の

愛猫ミー様も

外と家を行ったり来たり

数日間も戻らない

なんて事も有り有り


ある日の夕方

母ナホコさんが

怒りながら帰って来て

「近所の〇〇さんの家に

 ミーが居たのよ」

それが何か?


「〇〇さんがミーのことを

『家の猫だ』って言うのよ」

はぁいっ⁉どういう事?

「私がミーと呼んでも

 知らん顔するのよ

 でも、あれは絶対にミーよ」

何ですと⁉シカトしてるとな!

「あんた、〇〇さん家に

 一緒に行ってよ」

ナホコさんに言われ

連れ立って〇〇さん宅へ


「ごめん下さい」

〇〇さん宅へ着き

中を覗くと

ミーは子供達に抱えられ

ナデナデされている・・・


「ミー!」

と私に呼ばれ

ナホコさんと私の存在に気付き

はっ!と驚いた顔をし

次の瞬間

オドオドと目を泳がし

気まずい顔をしたミー


「間違いじゃないんですか?」

〇〇奥さんが言うのだが

ミーは見分けられる特徴がある

右耳の先が欠けているのだ

その事を説明すると

〇〇奥さんは納得してくれた


わが家へ連れて帰ろうと

ミーを抱き上げたら

〇〇家のお子様達が

瞳をウルウルさせて

私を見つめる・・・


でも

譲れないんだよぉ

ミーは元々捨て猫

まだ目の見えない

幼い時に捨てられているのを

桶星に拾われ

10年近くも

一緒に過ごして来た

姉妹も同然の存在

大切な家族なんだよぉ

ゴメンよぉ

子供達~許して~


悪いのはミーだ!

れっきとした自宅が有りながら

よそに別宅を作った

ミーが悪い!


最近太ってきたので

不思議に思っていたんですよ

ちゃんと食べ過ぎないように

管理してるのに

変だなぁってね

そりゃぁ太るよなぁ

2軒の家で

餌を喰らっているんだもん

ふてぇい(酷い)あま(女子)だ!


わが家に着いたら

ミーは固まっている

家族からは

暫くの間

冷たい視線の集中豪雨を

浴びていた

浮気者がぁ!である


ミーには浮気の前科がある

2歳の頃

外出から戻った

ミーの首には

可愛い首輪が装着されていた


おいおい!

お前さん

何をしれっと

別宅で

可愛い首輪

着けて貰っているんだい?

動かぬ浮気の証拠だよ!


直ぐにペットショップへ行き

首輪を購入

別宅の方が着けた

可愛い首輪は外し

【桶星ミー】

と本名を記入された

本宅の首輪を

着けてさしあげた


別宅の方

ミーには家庭が有る

と気づかれたらしく

【桶星ミー】の

名前入り首輪は

外されることは無かった


浮気はいかん

必ずバレる

絶対バレるのです

甘い餌には気を付けて!




















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