第13話 ここは新宿歌舞伎町
もう時効ですよね・・・。
桶星は、10代の頃
一人で歌舞伎町を闊歩してました。
新宿歌舞伎町・・・。
最先端の風俗店が立ち並び
映画館が乱立し
若者をターゲットにした
こ洒落た飲み屋
サラリーマンおじさんを
ターゲットにした赤提灯
髭を生やした綺麗な
おねい様方・・・。
常に街の真ん中で
見張っている
反社のオジサン。
桶星が
しょっちゅう
歌舞伎町を
ぶらつくので
反社のオジサンが
「仕事、紹介するぞ」
と親切に声を掛けてくれる・・・。
いやぁ・・・。
おじさんが紹介してくださる
業種は、予想が付きますし
わたしゃ(私)これでも
堅気の職に付いてますんで。
ニッコリ笑って
「間に合ってます~」
とお断り。
その頃は、
とにかく
酒が好きで
財布に3000円有ったら
「ヤッホーイ」
と喜び勇んで電車に乗り
歌舞伎町で一人
朝まで飲み明かす
10代の娘が・・・。
なぜ地元で飲まないのか。
それは・・・。
地元だと・・・。
親にばれるから・・・!
それが怖くて
若い乙女が
歌舞伎町で飲み明かす(笑)
とんでもない娘だ!
もし、自分に娘がいて
そんな事したら
間違いなく・・・。
ボコりますね!
当然です!
そう言えば一度
行きつけの居酒屋
(安くて、ナンパされても
店員さんが助けてくれる
いい店。
だったが・・・。
店員がナンパしてきたので
行かなくなった)
その店に来ていた客が
「俺は❞のぞき部屋❞のオーナーだ
今夜は皆に奢るぞー!」
と一杯ゴチになりました。
のぞき部屋とは・・・。
当時、最先端の風俗
なんでも、
若い女性が中央に居て
その周りに個室が並び
(壁で仕切られているので
お姉さんには指一本触れない)
壁の穴から客が覗く
のぞき部屋。
一体全体
何が楽しいのやら・・・。
マジ馬鹿馬鹿しい(笑)
歌舞伎町は楽しいけど
危険と隣合せの街・・・。
小さな飯屋で
腹を満たしていたら
スーツを着たオジサンの目の前に
若い衆が来て
テーブルに
剝き出しの百万円の札束を
置いて立ち去る
オジサン、飯が終わるまで
札束・・・放置。
なんて光景は見慣れましたわ。
仕事柄
平日の休みが多く
映画鑑賞も
勿論、歌舞伎町!
裏道まで知り尽くして
自由気ままに闊歩する。
さすがに
ゴールデン街は
小娘には敷居が高く
先輩同伴でなければ
いけませんでした(笑)
サンドイッチマンのオジサン
(漫才コンビでは有りませんよ!
首から、広告パネルを下げて
ただ街中で立っている仕事)
とも言葉は交わさずども
すっかり顔馴染み
お互いに会釈する
これは、
歌舞伎町での礼儀です。
ウザイのは
ナンパ!
桶星には
映画を見る!
酒を飲む!
と確固たる目的が有る!
邪魔はされたく無いのであります!
一度だけ
非常に腹の立つナンパが・・・。
ナンパでは無い!
売りのお誘いが!
事もあろうか
サラリーマン風の
いかにも
出張で田舎から来ました
臭を放っている男が
「1万円で、どお?」
と後ろから声を掛けてきた
初めは何のことか分からず
無視していたら
「1万円あげるから」
と付いて来る
そこで、やっと気付いた
1万円で私に
この桶星に
売〇しろと言いやがってるのだ
しかもそいつは
「1万円だけだよ、
それ以上は出さないよ」
と、しつこく纏わりつきながら
ぬかしやがった。
はぁん!
なめてんのか
このバカ野郎が!
売をする為に
立ってる姉さんと
素人の区別もできない
バカ野郎!
それに
当時の相場は
JKは3万円
立ちんぼ2万円である。
なのに私が
1万円だとー!
色々と
腹が立った
最高潮にムカった!
この私を怒らせるとは・・・。
上等だ!
手にしていたピア
(映画・演劇情報誌)
を、クルリと丸め
しつこく付いて来る
バカ野郎男の足元に
力一杯投げ付けて
大声で言ってやった
「1万円じゃ安いんじゃないの⁉
オジサン!ふざけるな!」
周りの人たちが
笑っている
私にでは無い
バカ男を笑っているのだ。
バカ男は
その場に固まっていた。
ざまぁみさらせ!
である。
顔馴染みのサンドウィッチマン
のオジサンが
桶星に向け
親指立て
GOOD JOB!
桶星も
サンドウィッチマンのオジサンへ
親指立てて
GOOD JOBのお返し
言葉の壁を超えた
歌舞伎町仲間だぜっ!
あのバカ男も
さぞや心に残る
歌舞伎町の思い出が
できた事でしょう。
めでたしめでたし!
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