第8話 桶星。恐怖で挙動不審になる

高校の通学に地下鉄東西線を利用していた


降りる駅は「九段下駅」

九段下駅は「日本武道館」の目の前

武道館コンサートに行くには

この駅を利用するしかない。


その日は

生徒会役員会で

帰りが遅くなってしまい

友人達は先に帰宅

(別に一人は嫌いでは無い。

むしろ誰かと一緒は疲れる

そんな、ちょっと変ったJK)

桶星は一人で

九段下駅へ、いざ突入


駅に入ると・・・。

ヤンキーがいる・・・。

九段下駅周辺は

私立の中学・高校・大学が

点在しているのだが・・・。


ヤンキー校は・・・。

無い!


珍しくヤンキーがいるわぁ

などと思いながら

辺りを見たら・・・。


右も左も前も後ろも

ヤンキーだらけ!

皆さん気合いの入った

リーゼント

長ラン

ボンタン

茶髪

厚化粧



男子ヤンキーは怖くない

だが・・・。

女子ヤンキーはダメだ!


目が合って

「ガン飛ばしてんじゃねえよ!」

なんて事になったら大変だ


でも構内は

ヤンキーヤンキーヤンキー

で溢れかえっているよ

どこ見りゃいいんでしょう?


ヤンキーの大群の中

場違いな桶星

いま私は、

途轍もなく

不本意ながら

目立っている~!


もう、

目が泳ぐ

泳がせる

とにかく目を合わせるな!


静かに

息を殺し

透明人間になるのだ!


無理だ

なれるわけない

オロオロ

オロオロ


いや、

それより、

こんだけヤンキーが

集まっている・・・。

喧嘩が勃発して

巻き沿いなんぞくたっなら・・・。


アワアワ

アワアワ

早く、この場から脱出せねばー。


なぜ反社は怖くないのに

ここまでヤンキーを恐れるのか。

それは・・・。

「ヤ〇ザは堅気(一般人)には手を出さないが、

チン〇ラは手を出してくるから、

チ〇ピラには気を付けろ」

との、父方の祖父の教えからである。


今はチンピ〇とヤンキーは違う

と分かるが、

当時は分別できていない桶星。


ヤンキー達の間を

そーっと

くぐり抜け電車を目指した。


「目を合わせるな・目を合わせるな

  私は透明人間なのだ」

 と囁きながら・・・。


その後、

どうやって電車に乗り

家まで帰れたのかは

覚えていない・・・。


数日後に知った事実・・・。

その日は

日本武道館にて

ヤンキー達の神的存在

『横浜銀蝿』

のコンサートがあったとさ。


どおりで、

湧いて出たように

ヤンキーだらけだったはずだわ。


勘弁してくださいよ~。

な、一時でした。























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