第4話 どうせ、誰も読まないんだから。ぶっちゃける。
桶星は、小学生当時
小説家になりたかった・・・。
(今も拙い文章ですが)
自ら小説と称していた。
(自称小説・笑笑)
母が、
「お父さんに、読んであげれば」
と勧めるので。
恥かしながらも、読んで聞かせたのでした。
褒めてもらえると思ってた・・・。
父は、私が読んでいる間。
身じろぎもせずに前を向いていた。
読み終えると。
「それで、何なんだ!」
父は、
怒っているようだった。
母が
「小説家に成りたいのよねぇ」
と私に、優しく語りかける。
「うん」
と、小さく頷く私。
父が大きな声で
「なんで、そんなもんに成りたいんだ!」
明らかに怒っている。
その顔は、冷たく
まるで氷のようだった。
私はショックだった。
「きっと、私の書いた小説がダメだから
下手だから、怒っているんだ」
そう受け止め、落ち込んだ。
そして、それ以来
物語は書かくなった。
(詩は書いていました
大学ノート3冊ほど
でも、両親には秘密にしていた)
――――――――
さて、『桶星』とは・・・。
勿論ペンネームです。
曾祖母に敬意を払い
自分で付けたペンネーム。
「桶田」家に生まれ
「星」家に嫁いだ曾祖母。
そして、望まずにして
「桶田」に戻された曾祖母。
F県の田舎で生まれ育ち
身分違いの家に嫁ぎ
一男一女に恵まれ
沢山の使用人に囲まれ・・・。
祖母曰く
「箸より重いものを持たことが無い」
要するに、
身の回りの世話は
全て、使用人任せだった。
と言うことである。
幸せな日々は、
突如として崩れ去る。
曾祖父が海難事故で帰らぬ人に。
悲劇はそれで終わりではない。
愛する夫の葬儀の日、
曾祖母は
亡き夫の弟から告げられる。
「もう、あんたら親子は
星家とは、何の関係もない。
だから葬儀には参列させない。
今すぐ、星家から、出ていくように」
曾祖母は二人の子供の手を引き
そのまま婚家を後にした。
愛する夫との
突然の別れ・・・。
それが、どんなに辛いことか。
桶星も、
夫が急死し、(3人目の夫)
同じ経験をしたので・・・。
曾祖母の悲しみが分かる・・・。
だから・・・辛い。
祖母と、その弟(桶星の大叔父)の
戸籍は父親の欄が空白・・・。
確かに愛し合い
確かに結婚し
確か家族に成った。
なのに・・・。
戸籍から消えた夫の存在。
空になった父親の欄・・・。
戦前の話し。
この時代、
戸籍の父親欄が空白は
「私生児」と言われ
まともな就職も難しい時代。
そんな境遇に
突き落とされても
たくましく生き抜いた女性
曾祖母。
その曾祖母に
同じ女性として敬意を表し
『桶星』としました。
祖母と大叔父は
お嬢様・ご子息様から
一気に、奈落の底に落とされた姉弟
共に辛酸をなめた二人は
本当に仲が良かった。
何歳になっても
祖母は弟を
「よういち」「よういち」
と呼び。
大叔父は祖母を
「姉ちゃん」「姉ちゃん」
と慕っていた。
貧乏で、
人様から恵んで貰った握り飯を
半分に割って
分け合い食べた二人。
寒い中
一匹の子犬を
抱いて暖を取った二人。
死ぬまで
互いに思いやっていた二人。
――――――――
父は、親孝行で
祖母を誰よりも大切にしていた。
曾祖母たちを追いやった
曾祖父の息子である、
祖母の従兄弟である、
私の大従兄弟だある、
お方が、作家。
だからこそ
私の小説家になりたいの夢は、
父にとっては、祖母への裏切り
(父は読書家でした)
だから、父は
私の「小説家になりたい」
に怒り心頭したのだ。
と大人になってから知りました。
私は今、この場所で書くことで
(異世界ジャンルにて
『転生失敗の元は失敗の転生が元』
を連載中)
子供の頃から、
ずっと胸につかえていた
「もやもやが」取れ
嬉しい楽しい幸せです。
――――――――
※当事者は、
全員、お亡くなりになりましたので。
オブラートに包み、
やんわりと書かせて頂きました。
悪しからず。
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