第三章・伝説のマシンファイター老パイロット たち

第5話・弾道計算士【レイ・ズーナ】&通信士【ガイム・エル】

 その日も宇宙船マクロ・クィーンの中では、三次元立体映像のガイ・クィーンが、キャプテン・凱王に文句で噛みついていた。


「また、あたしの中に変なの入れただろう! 仮面で顔を隠して黒いマント姿で国家作ろうとしている『反逆の……』なんとかって名乗っている危ないヤツ、あたしの体の中で国を作られたらどうするんだ! すぐに追い出せ!」


 キャプテン・ダン【凱王】が、適当な相づちを打つ。

「わかった、わかった、反乱起こしそうなヤツは追い出すから……そんなに怒るな」


「それから、風を波代わりに船内をマシン・ファイターで飛び回ってイチャイチャしている、あの少年と少女も気に入らない……少女の方は、コロコロと髪型を変えやがって。髪型を変えられない、あたしに見せつけて自慢しているのか! ライバルみたいな少女も気に入らない、あの目つきが危ない少女……絶対、危ない薬物やっているだろう!」


「確かにアレは危ないな……ちなみに、我がダン家は代々宇宙海賊の家系で、父の名が【ガード】兄の名が【クーガ】弟の名が【バイン】で……親戚のガン家の叔父さんの名前が【バスター】と言って」

「んなこと、誰も聞いてねぇし、誰も興味ねぇよ!」


 その時──部屋の横扉が、恐る恐る開き。

 弾道計算士の【レイ・ズーナ】〔女性〕と、ヘビメタ風の髪型をした通信士の【ガイム・エル】〔男性〕がソッと顔を覗かせた。

 ズーナが小声でガイムに訊ねる。

「やっぱり、中にいるのは巨人の人喰い鬼?」

「あの、目つきの悪さを見ると、普通に人間を捕まえて喰いそうだな……言葉使いも悪そうだし」


 ズーナとガイムの会話が聞こえた、

「人なんか喰わねえよ! 立体映像で人を喰えるか!」

 凱王が言った。

「マシン・ファイター出撃の依頼か?」

「はい、惑星Zー3で……あのぅ、どうして惑星を示す時は座標名称で、ちゃんとした惑星名を使わないんですか?」

「面倒くさいから……巨人女仕事だ、最適なマシン・ファイターを選び出してくれ」


 枝毛をいじくりながらガイ・クィーンが答える。

「敵はヒューマンタイプが、操縦するマシン・ファイターや遠隔操作のマシン・ファイターみたいだから……偉大な魔神【ガゼット】と、白い牙・起動戦鬼【ンダム】と、超電導棍【バトラー5】の三体でいいんじゃないの」

「あの、伝説の老パイロットたちか」

「あの老人たち、いろいろと扱いが面倒だから、次の惑星を姨捨惑星にして置き去りにしちゃえば」


「よし、 偉大な魔神【ガゼット】……白い牙・起動戦鬼【ンダム】……超電導棍【バトラーファイブ】 出撃!」

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