第二章・惑星Zー2に陰世紀巨神が降臨する

第3話・機関士【エイエン・リーガー】

 今日もまた、ガイ・クィーンの三次元立体映像が映し出されている、円筒部屋でキャプテン・凱王にガイ・クィーンが文句を言っていた。


「はぁ? 宇宙を放浪していたガキたちが乗った宇宙船を収容した……学校がマシン・ファイター〔ロボット〕に変形する? ふざけるな! 犬や猫じゃあるまいし、見境なく拾ってくるな!」


「保護者も一緒に収容したから、問題ないだろう……ちなみに保護した子供の同学年クラスの中に、小学生で中小企業の社長をしていて巨大マシン・ファイターを所有している子供もいたぞ……公園の地面からマシン・ファイターの顔が半分くらい地表に出ていてな、発進の時には公園内にアナウンスが」


「知らねぇよ! そういうコトを言っているんじゃない! 変形する車やら、列車やら、兵器やら……得体が知れない、マシン・ファイターチームばかり。あたしの体の中に入れやがって……さすがに、星雲サイズに巨大化して恒星や星雲を敵に向かって投げつけるような非常識マシン・ファイターだけは収容される前に気づいて拒否したけれど」


「あの、マシン・ファイターは最高だったな……両手足が王道のドリルだった、あっ近々両腕から冷凍ビーム出す。珍しいマシン・ファイターと交渉成立して収容するから」

「おまえなぁ」


 ガイ・クィーンが、怒りで剣の柄に手を掛けた時──横開きの扉が開いて、野球のグロブを片手にはめて野球のボールを持った、少し顔が大きめの男性が入ってきた。

 顔の大きい男性が言った。

「看護士のフォン・ラーゼに言われて、潤滑オイルを扉にスプレーしたら、軋む音は無くなったな」

 野球のボールをグロブに投げて遊びながら、機関士【エイエン・リーガー】がぼやく。


「それにしても、なんでキャプテンがいる。この部屋にクルーの誰かが伝言に来ないといけないんだ……ブツブツ、立体映像の電源切れば節電になるのに。だいたい、投射使用電力が多すぎるんだよな……でかぶつ女」


 エイエンが、キャプテン・凱王に言った。

「キャプテン、惑星Zー2からマシン・ファイター要請です。ワープじゃなかった、跳躍しますか?」

「もちろんだ、涙背負って宇宙の始末をするのが、オレたちの仕事だからな……ついでに、ここで次に発進させるマシン・ファイターチームを決めよう。ガイ・クィーン最適のマシン・ファイターは?」


 耳の穴を指でほじりながら、ガイ・クィーンが答える。

「そうねぇ、未知の巨大生物が敵だから……陰世紀巨神【ヘカトンケイル】がいいんじゃない」


「よし、惑星Zー2に跳躍して。陰世紀巨神【ヘカトンケイル】出撃だ!」

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