第2話・出撃! 宇宙〔そら〕姫ユニット次元激唱【アプサラス】

 キャプテン・凱王からの出撃指示を受けて、歌いながら戦闘をする。五十人近い女性パイロット集団──宇宙そら姫ユニット次元激唱【アプサラス】の、格納庫コンテナ内の動きが慌ただしくなる。


 ステージコスチューム姿で、チームのセンターを務めるリーダー女性が走りながらパイロットヘルメットをかぶり、戦闘機のコックピットに飛び乗って言った。

「さあ、あの星で。あたしたちのライブ開始よ! 最高のステージにしましょう!」


 宇宙空間・大気圏両用飛行可能可変戦闘機『リグ・ヴェーダ』が、マクロ・クィーンから次々と惑星Zー1に向かって飛び立っていく。


 突入した大気圏から雲を突き抜けて、急降下しながら七色のカラースモークを出している可変戦闘機に向かって。

 地上から発射された迎撃ビームを避けながら、 リグ・ヴェーダは戦闘機形態から人型ロボットに変形して地上基地を撃破する。

 依頼者も敵も関係ない 【アプサラス】の地獄のステージがはじまった。


「最初の曲は『恋愛ドッグファイト』……聴いてください……♪背後を取られたら、それは終わりよドッグファイト♪ 愛のはじまりドッグファイト♪」

 戦場に響き渡る乙女たちの歌声──数十分後、惑星Zー1の大地は焦土と化した。


 歌いきって満足した 【アプサラス】のセンターが、通信を通してキャプテン・凱王に言った。

《あたしたち、この星が気に入ったので定住して、ここを拠点にアイドル活動をします……今までお世話になりました、アルバム『あたしらの歌を聴きやがれ』もよろしく》

 そう言って、【アプサラス】からの通信は切れた。


 船橋でフォン・ラーゼがキャプテン凱王に言った。

「また、マシン・ファイターチームが一つ、船から出て行っちゃいましたね」

「新しいマシン・ファイターチームを探さないとな」


出撃! 宇宙そら姫ユニット次元激唱【アプサラス】~おわり~

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