第27話 アカデミー最強の物理アタッカー
当然、
装備品のアップグレードや付与効果の厳選など強くなる余地は幾らでもある。ただ他の二人のジョブと比較して
「レヴィン! オレにもなにかアドバイスをくれ!」
「貴様に言うことなどない! 黙って攻撃の回避に専念してろ!」
「そんなァ!」
泣きぼくろが特徴的な黒髪イケメン
(パーティーを組んでみて改めて思うが、
手加減してもらわねば、パーティーのパワーバランスが崩壊してしまうほどジョブ性能が突き抜けているのだ。
圧倒的な攻撃力と手数の多さ、移動系、属性系、遠距離、阻害系、強攻撃、さらには切り札とスキルの多彩さも申し分ない。火力特化のアタッカーの理想形と言ってもいいだろう。
唯一の欠点は防御力の低さだが、その欠点もまもなく軽減されるはずだ。ジルはレヴィンの指示通りバトル開始から一度もアーマースコーピオンの攻撃を食らっていないのだ。
「まだまだ動きに無駄は多いが、まずは今日のように回避の意識を高く保つことが重要なんだ」
たださすがに逃げ回るだけのバトルにジュリアンのフラストレーションは爆発寸前らしい。
「レヴィン! 頼む! 一回くらいまともな攻撃をさせてくれ!」
黒髪イケメン
「ったく仕方がないやつだな……ミカエルとロイスの二人には悪いが、我慢したご褒美に美味しいところジルにくれてやるとしよう」
レヴィンは素早く〈インテンシティー〉〈アジテート〉〈デストロイヤー〉と攻撃UPの強化アビをジルに付与してやる。
「おお! レヴィン!」
ジルが声を弾ませる。白髪青年は「決めろ」とあごをしゃくる。一瞬にして黒髪イケメン
「は? ジル!?」
白髪青年から思わず驚きの声が漏れる。てっきりバトル直前に本人が話していた雷属性の遠距離攻撃〈
ところがである――。
「——〈
ジルは防御DOWN攻撃力UPの特攻モードに入ると、腰を落として両手の双剣にぐっと力を込める。瞬間、ジルの身体が三人に分裂する。
「マジか! あいつ!」
【————〈
黒髪イケメン
「おいおい、むちゃくちゃだな……」
そのでたらめな強さにさすがのレヴィンも呆れるしかない。
最後にすべてを出し切った泣きぼくろが特徴的な黒髪青年は背中からバタンと大地に倒れる。
「ふー、すっきりした!」
肩で息をしながら彼女は満足気に頬を紅潮させていた。
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