第26話 戦場を駆ける魔導士
アーマースコーピオンと直接的に対峙していないレヴィンだが、彼は彼で休むことなく戦場を駆け回っている。
それと放置しすぎると黒髪の彼女に戻った時にめんどくさい黒髪イケメン
分け与えると言ってもレヴィンのマナも無尽蔵ではない。
ぶっちゃけダメージは大したことはない。だが構わない。〈スナッチブロウ〉のメインは〈マナ奪取効果〉なのだ。
魔導士と言ってもさまざまである。
ご覧の通り
特に〈トランスファー〉や〈スナッチブロウ〉のような直接対象に触れなければ効果を発揮しないアビを使い回す場合はじっとしている暇はないのだ。
そんな忙しなく泥臭い
「立ち回りひとつで戦況を変えられるのだ。こんな面白いジョブがほかにあるか?」
たとば今回はミカエルとロイスにバフを集中させることで、ジルに
「さて、ラストスパートに向けてイケメンどもに発破をかけて回るか」
参謀役としては先々を見据えて、仲間の成長を促すのも仕事のひとつだろう。
「ロイス! 隙を見て殴りにも参加しろ!」
白髪青年は赤髪犬耳少年にマナを供給しながら背中をぐいっと押す。
「レヴィンさん正気ですか?
「構わん! 数回ほど被ダメージを
ロイスの四方に光り輝くマナ製の盾が展開されている。
「どうなってもぼくは知りませんからね!」
ロイスはそう言いながらも嬉しそうに前線に走ってゆく。滅多にない経験に興奮しているのだろう。その小さな背中を眺めながら白髪青年は満足そうに頷く。
「そうだ。それでいい」
ロッドによる通常攻撃が戦況に与える影響などたかが知れている。被ダメのリスクを
だが、積極的に攻めるという体験を積ませることが重要なのだ。
レヴィンは多くの者たちが抱く
現状ダンジョンでの立ち回りからして、
属性付与はもちろん〈麻痺効果〉などやそれこそ〈マナ奪取〉などの特殊効果の付与されたロッドやスタッフなども無限迷宮の宝箱や魔物からドロップする。
だが、現状、武器で魔物を直接攻撃しない
「魔物に合わせてロイスが付与効果の異なる武器を使い分けることができれば、戦略の幅が広がる。今回はそのための布石だ」
続いてレヴィンはバトル開始からアーマースコーピオンの攻撃を一身に引き受けるミカエルにもマナを供給する。
「いいぞ! ミカエル! その調子で攻撃アビを出し惜しみなく打ち続けろ! 万が一にもロイスやジルに
「ああ! 任せてよ! ボクの全部を出し切るよ!」
金髪眼帯エルフの青年から充実した声が返ってくる。心配なさそうだ。
「トップクラスの最新のダンジョンパーティーでは【
もちろん、装備品やそれに付与する効果などを厳選して
知恵と工夫次第で
ミカエルは防御重視で片手剣と盾を装備しているが、
このパーティーがさらに強くなるためには『
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