第3話

第3夢   夢の中の偽の自分


 夢の中、確かに私は夢の中にいる。

でも、不思議なのが たった数分や数時間眠っただけなのに 夢の中では 何日も何ヶ月もその世界で過ごした感覚になる。

夢の中での時間の流れは どうなってるんだろう 

 夢って本当に不思議だ…

 

私は、会社員で 仕事が大好きで

 人と話すのも大好き 

毎日、毎日 働くのが当たり前の様に楽しく過ごしていた。 

 会社の人と、お昼はランチ

同僚と話すのも楽しみな時間だったかな

 そんな、毎日がずっと続くと思っていた。

 でも、あれ 私ってこんな性格だったかな?

 何だか、毎日の日常がぼんやりしてくる。 

 嫌、ちょっと疲れてるだけなんだと思い、日々を送っていた。


 仕事終わりに、友達とファミレスに行き。沢山、沢山くだらない事を話し 

今度、カラオケでも行こって約束をした。

  

そんな、日々を送っていると…突然それは起こった。

ある日、私は青信号の

歩道を渡っていた…

 そこに、信号無視の車がもうスピードで私の方に向かって来た

私は、車とぶつかった感触と共に暗い世界に入った。


   ………………?

私は、死んだの

 と思った。 それから少しして目が覚めた。 夢だった。

 本当に、現実で生活していた感覚があった。 

 でも、夢を思い出すと、自分がみたい場面だけを、切り取って繋げた私にとっての都合の良い夢だった私は、現実では、人見知りが激しく 人と話すのも苦手で、外で、外食も年に2、3回位。働きたいけど、昔のイジメが原因で、人と関わる事が出来ない。

 本当に、こんな自分を克服したいから、

精神科に行っても、結局治らなかった

 あの夢は、私がなりたかった自分なのかな…?

でも、夢の最後は車に跳ねられてる。


私の、なりたかった自分を再現した結果、若くして亡くなるかもと言う結末だったのかな。

 どっちの人生が、正解なのかな…

それでも、私は夢の中の人生が良かった。

 毎日、毎日、楽しい職場で働き。人と楽しく会話をして 充実した日を送り、

 外では、何の緊張も心配もなく食事をしていた。

 今の、私はこの世に居ないも同然な存在だから。

 私は、夢に取り憑かれる様に、

また、同じ夢の時間を過ごしたかった。

でも、私は 現実世界を生きている。


こんな私の生活、家族も気づかない。

 家族の前では、明るく振る舞い心配させないようにしていた。私の夢の話で、もうあんな想いをさせたく無かったから。

 私は、あれからも、家族の知らなかった大切な人の念や、親族の知らなくてもいい

先祖の想いを、夢で視る…

 

自分で自分が、分からない…

 教えてほしい…なりたかった自分を。

次、見る夢は、私が、見たかった夢かな?

 それとも、また、正夢になる夢


今、視たくない夢は、また、誰かの亡くなる祭壇の夢。

 もう、何回も視たよ。

唯一、信じてる大切な人、一人にしか言えない… 

 何回も視て、分かったのは 祭壇の数で

その人が、後何年で亡くなるのか。

 最近は、祭壇の前で、参拝者達が言っている声が聞こえる。

 あの方、何々を多く摂ってたから

それが、原因で亡くなったと。


でも、それは、言ってはいけない。

 今、私は なりたかった本当の自分を探すみたいに

 私は、生きてる。

何にでもなれる、夢

 こんな…こんな…私を、変えてくれる夢


そんな私を護ってくれる人がいる。

唯一、私が、夢の中の出来事を話せる相手。

 私の大切な…

このために、生かせれたのかな

 私は、またこれからも、こんな夢を視るのかな。

いつになったら、開放されるのかな? 

 でも、また見れるなら 明るく生きてる私が、見たいな。

それと、いつか私も人を信じられる様になりたいな。

 

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