社長
第52話
「アポの取り方、慣れていらっしゃるのね?あなたが準也に言うように指示したんでしょ?」
「私が報告しただけです」
「お会いできて光栄です。お母様」
守と私と母が、貸し切りのレストランで会っている。守の策略によるものだ。まず、私が連絡をよく取るモデルの準也さんを使うことにした。彼は社長とアメリカで会うことがあるから。ただ、娘が結婚したということを伝えてもらった。母は私のメールなんて全然読んでなかったため、電話で質問責めだった。どこのどいつだとかね。で、今に至る。
「あなたは、うちの病院で心臓の移植手術を受けてますよね。それで?うちの娘使っても手術費の借金はチャラにはなりませんよ?」
「もちろんです。その件につきましては、存じ上げていませんでした。ですが、借金は全て私が働いて返すということで、病院と取り決めました。それは、執刀医の先生に確認されても構いません」
「…確認までは、してないけど。あなたはなんの目的でみどりと結婚を?職を斡旋してほしいと?」
「いいえ。彼女はもともと私もいた獣医学部の教師です。論文も読んでいましたし、尊敬していました。その彼女が、私を必要として下さいました。それだけのことです」
「それで?このまま獣医を続けるわけ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。