第50話
「なにそれ!ありえない。絶対嘘だ。自分がそういう人を雇ったっていうのが後ろめたいから責任逃れだ。娘に押し付けるとか、最悪」
「…な、なるほど…そういう考えもあるか」
「…バカじゃん。なんでわかんないわけ?利用されてんだよ。みどりなら仕事こなせるのわかってて。死んだ会社をなんとかしろってこと?とんだ母親だな!」
「守、なんでそんな怒る?」
「怒るよ!研究好きなのに、いきなり辞めさせられるなんて。ありえない!信じられない!」
「いやいや、守じゃないんだから」
「…ごめん」
もやもやする。気持ちが整理できない。
「どうしたの、泣いて」
「みどりが…好きな、研究…」
「よしよし」
ぎゅっとハグされた。思い出した、今の仕事、ストレスって…言ってた。簡単に辞めれば?なんて言った自分が嫌だ。
「困ってたんだよね?1人でなんでもかんでもしないといけなくて。俺…家で仕事の話するなとか、もう…最悪…」
「ううん。いいんだよ」
ばっとみどりから離れる。
「…しつこく相談してよ!俺めちゃくちゃファッション好きだし、絶対みどりより詳しいし、勉強したら俺だってデザイナーなれるかもしんないし」
「えー、そ、そうなの?」
「みどりはブランドも知らないんでしょ」
「…おお、なぜわかる?」
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