第48話

学長に頭下げられるとは…。どうにか調べないとな。手っ取り早い方法を考える。


「敏兄ちゃん、みのるの電話番号知らない?」


「お!守〜!電話してくれるなんて…嬉しいぞ!」


「知らないんだ?」


「いや、知ってる。教えてやろう〜!ショートメールしてやるよ!」


「そうして」


電話を切った。…みのるはみどりのこと、どのくらい知ってるかな?早速電話してみる。


「誰」


「守だよ」


「え!?守お兄ちゃん!?やっほー!」


知り合いだとわかったとたん、元気になる実。


「実、…は、社長がいつから今の社長になったか知ってんの?」


「え?社長って…守お兄ちゃんの奥さん?」


その言い方やめ。


「はいはいそう」


「…えっと、俺がデザイナーになるって決まってからだから、はるちゃんと沖縄に行ってから〜、すぐかな?」


…ということは、実の保証人になってくれと言って動物病院に現れたときは、まだ社長になってそんなに経ってなかったってことか。


「あ、そう。わかった」


勝手に電話を切る。

みどりは、もしかして…猛勉強してモデル事務所の仕事をしているのか?なら、家に仕事持ち帰るなとか…俺鬼じゃん。


そもそもなんでいきなり仕事させる?なんもわかんないやつに?

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