第47話

多喜のせいでゆううつ。イラつかせるの得意すぎる。今日は、学会に参加する。あらゆるイベントにも参加しないとなので、俺って忙しいなぁ。


それが終わって、ロビーに出ると、大学の学長がいた。


「お久しぶりです、学長」


「あぁ…足助先生。久しぶりですね」


心なしか暗いぞ?


「はい」


「…以原教授とのご結婚おめでとうございます」


「ありがとうございます」


「…足助先生、少し話す時間はありますか?」


「…はい」


…みどりとのこと?とりあえず、応接室を用意してもらい、そこで待たせることに。研究室に一度戻り、今日の資料をみんなに回覧させてから戻る。


「お待たせしました」


「足助先生、お忙しいところ申し訳ない」


「いえ」


学長は茶も飲んでないし。とりあえず前に座る。すると、いきなり話し始めた。


「…以原教授は、家族の仕事を手伝うために、今すぐ辞めなくてはならなくなったと言って…翌日には寮を出て行かれました。それは、足助先生と結婚するためでしょうか?」


…な、なに!?そんな話、聞いてない。


「違います。…私が会ったときには家族の仕事をしておりました」


「…足助先生、教授は研究途中で、まだこれからというところだったと生徒から聞きました」


「それについてはわかりません」


「…彼女は、親に逆らうことができなかったということでしょうか…」


「申し訳ありません…ご両親とはまだ面会できておりません」


「…申し訳ない…突然のことで、対応が疎かになってしまって、彼女になんの言葉もかけてやれなくて…」


「…そう、ですか」


「いや、申し訳ない。足助先生、どうか教授のことをよろしくお願いします」


「…はい。もちろんです」

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