第39話

会議のあと、食堂で食べてたら、浜達はまたつと会った。勝手に隣に座ってきた。


「足助!お前は結婚したんだって?」


「それが?」


同期で、ごく一般的な人間。別に知られても全く関係ない人物だ。


「いや…以原先生だなんて、すごいな。金持ちだろ?」


そこかよ。


「それより、今日来客はあった?」


「なんだ?診療以外で?」


「そう」


「ないけど」


「あっそ」


「なんだ?」


「別に。来客とかあったりするのかと」


「いや…ないよそんなの」


緒方さん、なんなの。なにしにきたの。


「足助、仕事は辞めるのか?」


「なんでだよ」


「いや、以原ってすごい会社だし…」


「知らないよ」


俺は金持ちとかそういうの気にしたことない。それでみどりはいろいろ言われてたとしたら嫌だ。


「足助はなんでもできるからな〜」


…なんでも。

それは、言えてる。別に獣医になりたいのだって犬と会いたいからで。入院中は、暇で本ばかり読んでたから教養はあると思う。

みどりが手伝って欲しいと言ってたけど、どのくらい手伝うべき?そんなに口出ししていいものなのか。まだ社長の母親にも会ってない…。


「最近はサラダだけじゃなくなってるのか?普通の飯じゃないか」


「まぁ、栄養に偏りがあるからね」


サプリメント、注射…

食が細くて体力がなかったから、なんとか補ってきた。最近、みどりがいるから食べ物はしっかり食べる。なんか料理得意だし。体調に合わせたものを作ってくれる。わがまま言っても、なんか、食べる気にさせてるのはなんの魔法?

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