もう1人のみどり
第38話
小学生のとき、犬を飼っていた。心臓の発作が起きたのは、犬の散歩中。それで、うちではもう犬は飼わなくなった。マンションでも飼えるところなんていくらでもあるけど、俺は兄たちを不安にさせたくなくてずっと飼えなかった。
犬との因果関係なんてないって、わかってるのにね。責任押し付けてた。反省だな…。
今日も仕事を終わらせたら、さっさと帰ろ。
「足助先生、受付から来客の連絡がきてます」
内線を取った子がそんなこと言う。誰だよ、アポ取らないやつは。
「はい、足助です」
「先生、青森動物病院の
なに?は?どういうこと?
「いいえ。この後は会議で予定は空いていませんとお伝えして下さい」
「では、お帰りしてもらいますか?」
「そうして下さい」
なにやら話している。
「先生、いつ予定は空きますかと…」
「ご用件はなにか聞いて下さい」
「あ、はい」
なんて面倒なやつだ。なにがしたい?
「糖尿病患者の件でお話しを伺いたいと…」
「それは、
…元カノがなんの用?なにが糖尿病患者…ふざけやがって。そんなの俺に聞かないでも他の人でもわかる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。