第32話

「バカじゃないの!歯形ついてる!噛んだのかよ最悪!」


「へへへ〜」


「ありえな。犬かよ」


「犬好きなくせに」


「人間だろ…しかも首にも跡つけんなよ!こんなとこ見えるじゃん!」


「私も今日先生に見られちゃったよ?聴診器当てられた時〜。おお、めちゃくちゃ好かれてんな〜って思われたな?」


くそ…俺はなんで沖縄であんなことしたんだ。


「守にはあんまり残らないようにマーキングしたけどー、今日は思い切りやってやった!」


「…ごめん」


「いいよ?明日のみんなの反応楽しみだね?」


「絆創膏貼っていく」


「はー?ありえな!許さん!」


「虫刺されなんだよこんなの!」


まじで嫌だな。

ハネムーン休暇明けの仕事。研究室のみんなはなんら変わらない。昼休みは、食堂で1人でこっそり食べることにした。


「足助くん!」


もー!桃川ももかわかよ!なんなんだよいつも無視するくせに。


「ちょっとー、最近逃げられてる気がするんですけどー」


勝手に隣に座ってきた。


「忙しいんだよ。もう休憩終わりだから」


「その絆創膏どうしたの?」


「いいからほっといて!」


くそくそ!なんでこんなやつにバレるんだよ!嫌だ!でも結婚したことはなぜか知られてないようだ。

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