第33話

ふー、無事に何事もなく?仕事を終えた。はぁ、疲れた。キスマークつけないようにしないと。みどりを診察した先生はさぞ気まずかっただろうな。


「足助くん」


もー、誰だよ帰るんですけど。…あ、草葉くさはさんだ。珍しい…


「結婚おめでとう」


「あ、ありがとう…」


そういや、同期の谷口たにぐちと、うやむやにまだ付き合ってんだろ?草葉さんはよその男と子供作って堕ろしたの、俺は知ってる。けど、言わない。


「以原先生と、学生の頃から付き合ってたの?」


…柊と同じ考えだ。


「いや、違うよ?」


「先生って、有名な会社のお嬢様でしょ?そんな人って住む世界違うんじゃない?」


「そうでもないよ」


「お金の使い方とか荒そうだけど」


「さぁ。それぞれだから」


「…足助くんって結婚しないと思ってたから驚いちゃった」


「草葉さんは…?どうしたいの?」


「私は、別に」


うやむやにされるというね〜。そしてそのまま立ち去られた。

もう帰ろ。車に乗り込むと、着信が。多喜たきちゃんだ。


「なに」


「お前…なにしてんだよ」


「仕事」


さとし(守の兄)さんから電話あったぞ?守が家にいないって」


「仕事してたし」


「あの人何回か行ってるみたいだぞ?」


うわー、うざ。って…ピンポンダッシュしてんじゃねーよ!


「知らない」

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