第30話

「それにね、庭広くて。犬飼いたくなるよ?」


「え!?犬!…飼っても…いいの?」


「いいけど。私1人だと寂しいと思って。だから飼えなくて」


「犬!飼いたい!早く引っ越そうよ」


「守は犬が好きだね」


「うん!」


わー!犬と暮らせるなんて!夢みたい!


「う、気持ち悪っ」


みどりはつわりのようだ。会社でも吐いてるのか?


「はー、やば。気分悪っ」


みどりはトイレから戻り、ソファーに寝転がった。勝手に膝に乗ってる。


「仕事の人はなんだって?」


「…無理はするなって」


「じゃ、無理しないで。自分のことは自分でできるし、俺のこととか気にしなくていい」


引っ越しはちょっとまだできないだろうな。産まれてからになるかな…いや、それはそれで忙しいし。タイミングって、いつなんだろう。


「別荘、掃除は手配すれば簡単だから。あとは荷物入れて、納車して…」


「い、いいよ無理しなくて」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る