第29話

「3つ子です。ご覧なさい」


帰ってすぐ、守へエコー写真を手渡す。


「…これ本当に俺の子なの?」


ソファーに座りつつ、真剣に写真を見ている。


「本当ですよ?肉体関係になってなかったんですから。守以外と」


「…でも、3ヶ月って…避妊してたはずなんだけど…」


「失敗してるね」


「…そ、そうなんだ。しかもなんで3つ子!?」


「楽しみでしかないわ!」


「家どうすんの!ここは狭い」


「別荘あるから、そこにしよーよ」


「別荘?なにそれ、最初からそこに住んでたらよかったじゃん」


「会社からはちょっと遠いのよ」


「それなら住めないじゃん」


「車買えばいい」


「は?免許あるのかよ」


「あるよ」


「ならおさら最初から住めばいいじゃん」


「広い家に1人はねぇ。仕事忙しいから掃除とか面倒だし」


「ふーん…そう」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る