第22話

足助さんは上の空で戻ってきた。やはり…もう…


「藤原さんに進捗の方は聞いています。撮影も捗っているようで、助かります。今後の展開についてを美月さん、足助さん、教えて頂きたいのですが」


「は、はい…わかりました」


美月さんは動揺しながら答える。今後…やはりデザイナーを新しく雇うつもりなのか?


「あと、私事ですが、結婚しました。では、休憩室まで移動しましょう」


…は?

俺は、置いていかれた。


「あ、社長お疲れ様です」


「はるさん。撮影ですか?」


「はい」


「こちらは話し合いのため、美月さんをお借りしますので」


「あ、はいわかりました」


はるさんがやってきた。


「藤原さん、撮影はじめましょう」


「…はるさん。社長は結婚されたとか…」


「へぇ、そうなんですね。撮影やりましょう」


「…あの…じつは社長のことが気になってました。今日…声をかけて…付き合えたらって」


何もかも遅い。俺は遅すぎた。


「…藤原さん、社長と話したことありましたっけ?」


「あります。少し」


「…そうですか。残念でしたね。撮影はじめて下さい」


はるさんは思ってるより冷たい人である。

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