「えっと、守お兄ちゃんと…社長が結婚したんですか？」

「そうです」

「…え！？なんで！？え？」

だって…それって、俺が東京行った時は全然会ってもいなかったんじゃないの？連絡先すら知らなかったじゃん？どういうこと？

「もしかして、元カノだったんですか？」

「違います」

社長は普通に返事してるけど、わけがわからない。

「…旅行、守お兄ちゃんと旅行してるんですか？」

「ハネムーン休暇というものを消化しているんです。私にはないのですが、仕事の合間に観光します。おそらく今は、水族館を観光してるかと」

「…守お兄ちゃん…と、社長…」

なんか組み合わせ的に合わない。だって社長はそんな小さくない(守お兄ちゃんは小さい)し、美人すぎるわけでもかわいすぎるわけでもない。若くもない。お金持ちかもしれないけど、そんなの守お兄ちゃんが好きなポイントではないし。

「明日の午前中は観光予定なので、仕事は今日中に終わらせたいです。ご協力お願いします」

「あの…社長は…守お兄ちゃんが…好きですか？」

「はい」

え…全然照れないんだけど。…なんか、どういうことかさっぱりだ。

「足助さん、そろそろ仕事を始めましょう」

社長…と守お兄ちゃん？うーん？

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