第10話

「俺の孫に会いたいんだけどなー。困ったな」


「もういいだろ…」


「なーに言ってんだ!3人で世話しようぜ!守と俺とお前な?癒されるに間違いねぇ!そんでそのうち俺には新しい嫁ができて、子供ができて賑やかだぞー?」


「無理な話作るなよ」


「えんよーちゃんも入れてやろう」


「さっさと寝ろよ…まじでうるせえ」


ったく。可哀想な息子だ。お前の子供なのによぉ〜?守だって1人は心配だし、彼女を作ろうとしないし、これは俺と住むしかないな?


翌日の朝も、守の家に行ってみたが、反応なし。やっぱりいないのか?守の親友だとか言う多喜たきちゃんに連絡してみよ。


「守がどうかしましたか?」


「いや、家に行っても出ないんだよ」


「たぶん、嫌がってると思います」


なに?ふざけやがって。


「俺は守の兄だから、嫌がることはないだろ?」


「守は疲れてるかもしれないんで」


「最近話したのか?」


「いえ」


憶測で言うなよ。ったく、お前の嫁とか家庭教師の分際のとき口説いた学生のくせに。はーうざいうざい。


「じゃあ連絡してみてよ」


「…はぁ」


めんどくさそうな返事するなよ。

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