第5話

「つ、つまり?学生の頃から付き合ってたのか?二股して?やべーな」


なにそれ。どうしてそうなんの?


「うるさい柊。さっさと寝ろ」


あーめんどい。柊のくせに急に俺に構わないでよね。いつももっと構ってくれたらいいのに。


「なになに、みんな大騒ぎ?」


「なんで楽しそうなんだよ」


「守はモテるからね?」


意味不明。


「みどりは会社でなんか言われないの?」


「ないよ?てゆーか言う必要ある?」


…なんだと!?隠蔽すんの?


「仕事では苗字はそのままだし。だからなーんにも、一切変わってないんだよね〜」


…確かに。事務手続きはなさそうだけど。


「あーあ、やっぱり結婚やめようかなー!めんどくせーしー」


「今日提出したのに?たぶん翌日は無理じゃない?」


「やめてもいいって?」


「それ守が言ったけど」


「ふざけんなよ。わざわざ事務所まで出向いて、みんなの注目を浴びながら書類書かされたのに?別れたらまた大騒ぎだし」


「あーそれなら、事務所の子が次は私とかどうですか?なんて言ってくるんじゃない?」


「あーうぜー!なに言ってんの?バカじゃん?俺がわざわざ頑張って事務所行ったのに。最悪」


「へー?守は頑張って事務所行ったんだ?」


「別に?なんなんだよ!」


ババアのくせして調子乗るな!

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