第4話

「今日、役所に届け出して、会社にも届け出した。祝金があるってさ」


「そりゃそうでしょう。福利厚生はちゃんとしてるもんね?いい会社ねぇ」


なにを偉そうに。先に風呂入ってて、ソファーでだらけてるくせして。だけど、先に帰って何もかも準備されてた。俺が家帰ったら、風呂入ってご飯食べるだけになってた。で、今はソファーでだらっと座って、2人で話してるとかありえね。俺、家事してない。


「ハネムーン休暇もあるらしいよ」


「…なるほど、旅行!休みになるなら行こうよ」


「…いや、仕事休んでまで行く?」


「行こうよ。私今度仕事で沖縄行くから。仕事終わりになるけど海で遊べるし」


「そっちは休まないのに」


「合間に遊べるって。足助さんにも会っていく?事務所も見る?」


「…部外者入れるなよ」


「じゃあ、外で会わせてあげる」


「いいよそんなの」


ふいに、机の上に置いていた携帯が振動した。着信…?画面を見てみると…あれ、柊から?しかも電話!?珍しすぎ…!


「おい!足助なんで言わないんだよ」


「は?」


いきなりの電話でわけわからないこと言う。


「お前、なんで…どうやって以原いはら先生と付き合ったんだ?聞いてない」


「言ってないし。めんどくさいから」


「いや、…あの人大学にいたじゃん?お前研究室にばっかいたじゃん。どうやって?」


「どうやってって…」


こいつが強引に家までやってきたんだよ!なんて言えない。

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