第3話

学会の後、事務所に向かう。やっぱり今日のうちに終わらせることにした。


「お疲れ様です。足助です。あの、結婚したのですが、届けを下さい」


「え、あ、足助先生が…!?」


「はい」


3人ほどいた事務員たちがそわそわしている。早く終わらせたい。


「こ、こちらに記入をお願いします…」


ようやく書類をくれた。


「あの、相手はここの獣医さんですか?それとも研究員ですか?」


「違います。扶養はしません」


じろじろと、書いている書類を見られてる。


「お願いします」


書いた書類を手渡す。しかしこの担当の子は、みどりのこと知らなかったみたいだ。首をかしげて複雑な顔をした。


「祝金が出ます…あと、ハネムーン休暇もあって…」


「考えておきます」


ハネムーンねぇ〜?結婚式の話すら出てないし、俺はそんなのやる気は全くない。なにが楽しくてやるんだ。もしやりたいと言われてもしないつもりだし。旅行もたぶん行かないはず。仕事人間だし、あいつ。

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