第2話

足助あすけ、お前…顔色がいいな」


「なに。なにしにきた」


同期のひいらぎが職場に現れた。研修に来たな?しかもなんで顔色とか、お前気にしたことある?ふざけんな。


「研修」


「知ってるし」


「さっき」


「は?なに」


「聞いたんだが…お前もう彼女とかいらないらしいな」


まじどうでもいい噂話。誰だよそんなこと柊に教えるやつ。


「あーうざ」


俺の中のステップはこう。彼女と付き合って、それから同棲して、何年かして…結婚でもしようか?ってなる。その予定だったのに、なんで俺はもう結婚しちゃったんだ?書類書いて今朝役所に出してしまった。

…事務所に言うのは明日にしようかな。


「おい足助!聞いてるのか?」


「しつこい。ついてくるな」


…ここの事務所の連中は、口が軽くて嫌だ。それに、みどりのこと知ってるかもしれない。自分から言っといて、なんも考えてなかったな。こんなに手続きが面倒なら、わざわざ結婚なんてする必要ないじゃん。

俺バカじゃないの?

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