(二)-7

 中身を開けたビニールはズボンのポケットに入れ、スークは上にかけた玉ねぎがこぼれ落ちないように気をつけながら両手でエサ皿を手に取った。

 そしてゆっくりそっと物置から出ると、しっぽを振ってスークの方を見ている二匹の犬へ近づき、目の前にそれぞれエサ皿を置いてやった。

 犬はいつものエサの上に別の何かが乗っていることにすぐさま気づき、クンクンと玉ねぎに鼻を近づけて匂いを嗅いでいた。

 玉ねぎはじっくりコンソメで煮込んでいた。生の玉ねぎの刺激はないはずだった。


(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る